無駄な殺生はしたくない
ガイロウとの会見を終えた俺達は、寄り道をせずに宿屋に戻った。
皆を集めて、反乱分子達のアジトを襲う計画を練る。
襲撃メンバーは【仙人】の俺、【槍王】ユウ、【龍人】エルダ、【邪道師】シノン、【魔人】セイノスの五人だ。
【森羅万象を司る英雄】ゾッド、【霊獣】マユミ、【王女】シズさんは宿屋で待機。
「アジトの場所はここよ」
シズさんが地図を広げた。二階建ての酒場に印がしてある。
「襲撃組は、リーダーの虎人を拘束して」
「尋問は俺達がやらなくていいのか?」
場合によっては、残酷な拷問をしなければ、証拠を聞き出せないかもしれない。シズさんには荷が重いだろう。
「これがあるから大丈夫よ」
シズさんは、紫色の液体と注射器を出した。
何それ、ちょっと怖い⋯⋯
「アジトには肉食系獣人が常時五十人以上いるらしいわ、どうするの?」
酒場の正面入口から、俺とユウとエルダで襲撃する。
その後、正面入口にセイノスの炎の壁、裏口にはシノンの超能力の壁を作り、逃げようとする獣人を、酒場から出られないようにする。
酒場にいる肉食系獣人が全滅、もしくは全面降伏で決着とする。
無駄な殺生はしたくない。降伏してくれることを祈るばかりだ。




