宴会をしよう
ユウと入口に戻ると、ゾッドとエルダが忙しく動いている。
「どうした?忙しそうだけど」
「先生達が倒した動物をギルドに運んでいるのです」
「運ぶと何かあるのか?」
「ギルドが買い取ってくれるんですよ。これだけ多いと、かなりの高額で買ってくれます」
「そうなんだ、俺達も手伝うよ」
◆◆◆
結局、【亜龍】の爪と合わせて五十万円でギルドに買ってもらった。
ちなみに【異世界】でもお金の単位は円で統一されている。紙幣や硬貨のデザインは日本とは全く違うけど。
「よし、俺達も屋台で旨いモン食べようぜ!」
軍資金はたんまりあるんだ。大宴会を開こうじゃないか。
居残り組のマユミ達と合流して、モンスター肉の串焼き、ステーキ、唐揚げなどを購入し、俺達は貪り食う。
何の肉か分からないが、味付けが濃くて旨い。
肉体労働の後には丁度良い味付けだ。
とりあえず腹を満たしてから、居残り組にダンジョンの話をしながらビールを飲む。
至福のひとときだ。
「フィールドボスを倒したんだって?」
俺達に話しかけてきた男がいる。
よく見ると炎の巨人になって戦う男だった。
他の冒険者達よりも、強さが頭一つ抜けていたから印象に残っている。
全身にタトゥーが入っていて、危なそうな野郎だ。
「先生、この人は魔人族です」
「なんで分かった?」
「魔人族は瞳の色が銀色なんです」




