ダンジョンの激闘
草食系動物の大群を壊滅させ、俺達は歩を進める。
「気持ちいいダンジョンだな〜〜」
「先生、倒した動物で焼肉がしたいですな!」
すっかりムードメーカーになったゾッドの発言で皆が笑う。
このダンジョンは、見渡す限りの緑と、清浄な空気で癒し効果抜群である。
草原の癒しを味わっていると、またもや、水平線の向こうから、地響きを挙げて動物の大群がやってきた、
今度は、まるで鎧のような皮膚をした犀や、重戦車のような象などの大型の草食動物だ。
大型の草食動物が、大群で迫ってくる様は圧巻の一言につきる。
「ゾッドとエルダは入口まで戻れ!」
俺は【七星神槍】の能力を全解放するマントラを唱えた。途端に体が眩い光に包まれる。
「仙人様、本気を出しましたね!」
軽口を叩くユウを見ると、血のような赤いオーラが全身を覆っている。
「ユウ! その赤いオーラは新しい能力か?」
「はい! どうやら、このオーラが敵の血を吸収すればするほど、俺が強くなるようです」
エゲツない能力だな。
冒険者の中にも強者がいて、悪魔を召喚して戦わせる男や、炎の巨人になって戦う男がいたりして、見ているだけで楽しい。
難敵を前にして、俺達は冒険者と協力して迎撃した。
◆◆◆
「俺達はここまでだ」
そう言って、一緒に大型の草食動物を撃退した冒険者達は、入口に戻っていった。
生死を賭けた戦いを共にしたからか、冒険者達に親近感が湧いてくる。ダンジョンから無事に戻ったら酒でも飲みたいものだ。
「次はフィールドボスが出るから気をつけろよ」
冒険者のアドバイスが有り難い。
「フィールドボスぐらいは倒してから帰りましょう」
相変わらずユウはやる気マンマンである。




