ユウの暴走
俺と【槍聖】カツラギ・ユウは、【悪徳王】の取巻きの獣人達を、最後尾の奴から順に殺していく事にした。
直接対決になる前に、少しでも戦力を削る事と、精神的に追い詰められる恐怖を味あわせたいからだ。
俺とユウは、樹木を駆け上がり、枝から枝へ移動して隙を伺う。
俺は手にした【七星神槍】の全能力を解放するマントラを唱えた。
途端に全身が輝く。
音速を超えたスピードで最後尾の狼系獣人に接近して首を突く。
と同時に、命の灯火が消える寸前の狼系獣人を音も無く担いで走り抜ける。
ユウは小便をしている虎系獣人を、後ろから近づいて心臓を貫き、喉を穿つ。
死角から命を掠め取る俺達に気づく者はいない。
順調に獣人を六体ほど始末した。
「ボス、ジーラがいません」
黒豹系獣人が【悪徳王】に報告した。
「カスは放っておけ!」
護衛隊のリーダー格であろう獅子系獣人が吠えた。
そして、獣人達の間を白い風が舞った。
ユウが姿を隠すこと無く、獣人達を攻撃し始めたのだ。
「悪徳王‼︎ 貴様を殺しに来たぜ!」
ユウが暴走しちゃったよ⋯⋯
【読者の皆様へ】
いつもありがとうございます。
評価いただけたら嬉しいです。
これからも、よろしくお願いします。




