予想通りの奇襲
月が姿を消し、やや明るくなった早朝。
突然、黒板を爪でこすったようなキィィーーという高周波音が響いた。
「結界が破られたぞぉぉーー!」
「起きろぉーー‼︎」
「敵襲――‼︎ 敵襲――‼︎」
「助けてくれ、誰か来てくれ!ぐぁ!」
耳を澄ませれば、怒声や悲鳴が聞こえてくる。
やはり【悪徳王】の手下達が襲ってきたようだ。
テントの外の声を聞き、急いでマジックアイテムを装備して外に出ると、巨大な熊の大群が押し寄せてきた。
仕方なく、俺の手駒である【魔鋼銀虎】を一体だけ、熊の大群に突撃させた。
と同時に、魔術士達のテントの方角から、巨大な黒豹のような魔物や、まるで大木のような大蛇、土で作られたゴーレムといった使い魔達が、巨大熊の群れに襲いかかっていった。
これで一息つけると思いきや、上空から巨大な四枚羽の鳥の群れが夜営地に滑空してきた。
兵達を鋭い爪で掴み、山の高さまで飛び上がり、爪を離して兵達を地面に叩き落とす。
魔術士達が火の玉を当てたり、兵達が弓を射るが混乱しているのは明らかだ。
残りの【魔鋼銀虎】に【霊獣】マユミを守るように指示し、【七星神槍】を手にして走る。
巨大鳥のほとんどはゾッドを狙っているからだ。
【悪徳王】の手下に獣を操る能力者がいるのは明らかである。
「ゾッド! 大丈夫か!」
「おお、仙人殿!これしきの羽虫は敵じゃござらん」
――そうか、今は英雄モードなんだな、すまん。
俺は苦笑しながら、ゾッドに纏わりついていた鳥を【七星神槍】で串刺しにした。




