ゾッドの初稽古
「仙人様、マユミ様、また来ますね!」
翌朝、少し上気した顔で、はにかみながら挨拶してシズさんは帰った。
この日からほとんど毎日、三人で乱れた夜を楽しむようになった。
それと、不便だったので【霊獣】に名前をつけた。シズさんに名前を聞かれ、咄嗟に出たのがマユミという適当な名前だった。
◆◆◆
朝食後の武術稽古の時間になると、ゾッドが父親と一緒に、屋敷にやって来た。
俺に一礼をしたゾッドの父親の顔が、あまりにもゾッドと似ていたので、吹き出しそうになったが、何とか持ち堪えた。
父親は【元帥】だから、失礼があってはならない。
軽く父親と挨拶した後、稽古を見学させて欲しいと言うので、快く許可をした。
ゾッドは初めての稽古だからか、不安と緊張で表情が固い。
「しばらくは技の練習はしない」
ゾッドがきょとんとした顔をしている。
「潜在能力を引き出す“立禅”というトレーニングだけするから」
◆◆◆
みっちり一時間かけて立禅を指導した。
ゾッドの両足は、とうに限界を越えていた。ガクガクと痙攣して、しばらくは立つことはできないだろう。
ゾッドの欠点は足首が硬いことだ。足首が硬いから腰を落とすことができない。即ち、重心が高いままだから体は緊張し固くなる。攻撃は効かないし、防御は間に合わない。
改善すべきところを噛み砕いてゾッドに説明していると、父親が駆け寄って来て、俺の両手を握り、
「息子を⋯⋯ 、息子を立派な英雄にしてください!」
と懇願された。
英雄にするとは言ってないけどな――




