なぜか英雄が屋敷に来ました
【異世界】の気で俺の性欲も強化されていたのか、昼から夕方までたっぷりと【霊獣】の体を堪能した。
◆◆◆
夜になるとシズさんが訪ねてきた。
リビングにシズさんを通すと、全裸の女性がいる事に驚いて、目を白黒させていた。
シズさんの純情そうな反応を楽しんだ後、女性用の服の用意を頼んだ。
シズさんに訪ねてきた理由を聞くと、会って欲しい人がいるそうだ。
断る理由がないので許可すると、異様なオーラを放つ屈強な男が入ってきた。
(なんだ、こいつ⋯⋯ )
「【森羅万象を司る英雄】のゾッド様です」
(はぁ? 喧嘩でも売りに来たのか?)
無意識に会釈をした【英雄】の戦闘力を計る。
まずはボディービルの世界チャンピオンのような圧倒的な筋肉に目が行く。
太い首、大胸筋の異常な盛り上がり、どっしりとした下半身⋯⋯
百九十センチ程の身長と短く刈りそろえられた髪、彫りが深く鋭い眼差し、力強く張ったエラ。
(強そうだな⋯⋯ )
リビングのソファーで【森羅万象を司る英雄】と向き合って座る。
⋯⋯ しばしの沈黙。
「人払いをしていただけませんか?」
ゾッドからの申し出にシズさんと【霊獣】は二階に上がってもらう。
「親善試合の件でお願いがありまして⋯⋯ 」
横隔膜を使った低い声だ。気弱な人なら声だけで恐怖を感じるだろう。
「親善試合は八百長にしませんか?」
「へっ?」
【英雄】の意外な提案に頭がバグってしまった。
「お互いのメンツを潰さないように、引き分けにしましょう」




