表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/78

静かなる決着

 『何ということだァ! 武俠兄妹の攻撃はことごとく避けられ、カスリもしません』


 興奮した司会役の声が、コロッセオに響くと観客の歓声は、どんどん盛り上がっていく。


 【剣聖】と【槍聖】の二人は、王国に飛来した火龍を撃退したり、【悪徳王】といわれる犯罪者集団のボスを追い詰めるなど、その実力は『勇者クラス』であると称えられている。


 そんな二人が【仙人】から大きく距離をとって動けないでいる。


 その【仙人】の姿が一瞬霞む。


 二十メートルを超える距離を、たったの数歩と刹那の間に詰められ【剣聖】の目前に迫る。


 【仙人】の音を置き去りにする程の剣技は、確実に【剣聖】を追い詰めた。


 妹を救うべく【槍聖】が裂帛の気合いと共に繰り出した高速突きを【仙人】は瞬時に木刀を捨て、左手で掴んだ。


 驚愕の表情を浮かべた【槍聖】の頭部に【仙人】の右廻し蹴りが入った。


 巨木が倒れるようにして【槍聖】は意識を失った――


 最後まで、棒を手から離さなかったのは、武人のプライドなのだろうか。


 【槍聖】に駆け寄る【剣聖】の首筋に【仙人】の木刀があてがわれる。


 「試合終了だ」


 【仙人】の底が見えない超常的な強さに、観客は静まり返っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ