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反撃の狼煙
【剣聖】と【槍聖】の強さに舌を巻く。
まるで、二つの雷鳴を相手にしているようだ。
(思っていたより、断然強いッ)
上下、左右、対角線への止むことのない爆発的な連携攻撃。
以前闘った、軍隊格闘術の教官クリードとは、比べ物にならないほど武の極意を体現している。
しかし、親善試合のはずなのに、殺気を感じるのは何故だろう。
俺が、ブロの総合格闘技を引退してから身に付けた【二天一流】という剣術は、古伝の型を繰り返す事により、体軸が鍛えられ、自由自在な歩法が可能となる。
両手に持った木刀を使うのは最小限にし、滑るような歩法で【剣聖】と【槍聖】の攻撃を見切る。
さらに【精霊王の守護石】というペンダント型の伝説級マジックアイテムが、体の表面を液体金属でコーティングしているので、心理にも的余裕がある。
磨き上げた戦闘技術と、【異世界】の気で大幅に強化された身体性能と、【怪力の指輪】や【俊敏の指輪】といったマジックアイテムのおかげで、余裕を持って躱す事ができた。
そろそろ、武俠兄妹の動きにも慣れたし、攻めるとしようか――




