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異世界仙夢譚
荘厳で広大な神殿型ダンジョンの最深部で【堕神】と向き合う。
圧倒的な神気を前にして、無意識に【七星神槍】を持つ手に力が入る。
「ふぅ――――」軽く息を吐く。
仲間の【獣王】ガイロウと【魔王】セイノスは堕神の従者【四大天使】と死闘を繰り広げ、共に大天使を倒すが代償は大きく、瀕死の状態である。
俺の一人目の嫁である【神獣】マユミが超高速回復魔法をかけているから命は助かるだろう。だが、戦線復帰できるかは微妙なところだ。
【森羅万象を司る英雄】ゾッドと【轟天の勇者】シノンは共闘して、一体の大天使を倒したが、ギリギリ立っている状態である。尋常ではない疲労が、体の自由を奪っている。
俺の2人目の嫁である【黄龍女神】エルダは難無く大天使を倒していた。頼もしい嫁である。
堕神討伐の切札である【仙人】になった俺が、きっちりと【堕神】を倒して終わらせてやる。
まるで、虫けらでも見るような目つきの【堕神】に対し、光速の動きで距離を詰め、必殺の突きを放つ寸前に、一瞬だが異世界に来てからの記憶が走馬灯のようによみがえった。