準決勝戦第二試合
「雷神を降したハードパンチャーヒーポ!」
「対極に位置する照芳を打ち砕いた流閣!」
「どちらが真の剛の者か!そして決勝に進出している鉄斎と戦う資格を得るのは果たしてどちらなのか!」
「両者入場です!」
身体に生傷を残した状態のヒーポと流閣両者が入場する。
(この人が鉄斎さんと同じ国の出身の流閣さんか、物凄い胸筋だ、そしてあのゴツゴツと変形した掌一体どんな修行をしたらあんな手になるんだ)
(彼がヒーポくんかあの小さな身体で並み居る巨体を葬ってきたのかなるほど溢れんばかりの闘気は並みどころじゃないな)
お互いが観察をしながらもゆっくりと中央に歩を進める。
(あの人の突きは肉を抉る後手に回ってちゃ正気はない)
(彼の一撃は重い刺されば昏倒しかねない)
(最初だ!)
(出鼻を挫く)
レフェリーが合図する。
「それでは試合開始!」
ドン!
先手はヒーポだった。
(やった!リバー刺さった!このまま主導権を!)
流閣はヒーポが顔面を打ち込んで来ると即座にカウンターで肘打ちを首筋に強打
「ぐっ!」
(させないよ!)
だがヒーポのパンチはそのまま流閣の顔面を捉える
(なっなんという忍耐力!今度は私の番だ)
(効いてない!攻撃が来る耐えろぉっ!)
流閣の中段突き
ヒーポの正中線上を穿つ。
「ガッはっ!」
(この感触、岩を打ってる感じだ)
流閣の攻撃は止まらない
(岩なら―)
鳩尾に貫手が深々と突き刺さる。
「ぐっふぅ!」
「くり抜けば良い」
だがヒーポは腹にめり込ませたまま
アッパーを流閣の顎にぶち当てる。
「ぐぬぅっ!」
(胴体を貫手が刺さってるんだぞ?この反撃とはなんという精神力!)
流閣の貫手が緩む瞬間ウィービングで解き、高速のシフトウェイト!身体を左右に振って
(この軌道は!セイニヒ戦で見せた)
流閣は潰そうと貫手を放つが躱されそして空いた右側から反動を付けたパンチが
轟音と共に炸裂!
(なんという耳の鼓膜のダメージ!平衡感覚に支障を来たすか)
そんな流閣の状況確認も左の爆音と共にかき消される。
(くっガードを固めなければ)
流閣のガードの上からも容赦なく叩くヒーポ
(最初の2発は大きいけどきっちりガードを固めてるさっきの胴体のダメージもあるそんなに長くは続けられないこじ開けなきゃっ!)
そのまま連打が続く
(左右に逃げ場なし正面は無理後ろに退路を)
流閣が大きくバックステップをする。
ヒーポそのまま追う
(追ってきた)
(もう逃さない!ここで凌がれたら僕の!)
流閣は追ってきたヒーポの顔面に目掛けて燕尾を放つが
瞬間ヒーポは下のダッキングで躱す。
「!!」
(ヒーポくん!)
(流閣さぉん!)
ヒーポはそのまま顎に向かってガゼルパンチ!そしてリバー三連打!
流閣はくの字に折れる。
空かさずアッパーで身体を浮かせて
左右のウィービングそして
右!
左!
右!
左!
高速のフックの連打!
流閣は朦朧としながらこの展開に一縷の望みをかけていた。
この攻撃に決められれば俺はあの人と始めて対等な立場に上がれる。
ダメージ?知らない!
麻痺?知らない!
スタミナ?知らない!
スピード?パワー?型?そんのもの今は要らない!
最短を適所に向かって飛んでくれ俺の拳よ!
ゴッ!
ズルっとした効果音の後にヒーポは倒れた。
「はーっはーっはーっ!」
「勝負有り!」
こうして決勝戦の出場者が決まった。




