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異世界拳闘道  作者: 泰山仙人
アナルガルド最強決定戦
93/98

Cブロック 三回戦

「さぁ今大会だれが予想したか!この組み合わせ!!そのパンチは嵐のよう!ヒーポ!、エルフにすら勝った雷神!セルリム!」


両者が入場しお互いに相手を見る。


(セルリムさん昨日のダメージはほとんど無い、流石だ!)


(ヒーポ!あの背筋…仕上げて来たな!)


観客席では


「おーおー始まるかい」

鉄斎は気功医療の手当てを受け万全には遠いが歩ける程になっていた。


「鉄斎さんおめでとうございます。準決勝戦進出」

ニーカが鉄斎を迎える。


「まぁあの妖術じーさん相手だからしんどいがね」


「でも私なんか鉄斎さんなら勝てそうな気がするんです。」


「流閣は?」


「ここ最近見ませんねぇ?」


「そうかまぁにしてもあの二人かぁ〜」


「あの二人ってお互いパンチ主体の選手ですよね?」


「ん?あぁつっても片やハードなインファイター、もう片方はアウトレンジで戦うカウンター使いだからなぁ」


「カウンター?」


「カウンターっつうのは相手の来る勢いを利用して自身の攻撃のみ当てる技術さ相手は来ないと思ったタイミングで打ち込まれるわけだから防御が追いつかないからこの上なく効く…だが自分から相手の攻撃に飛び込むからリスクもデカイ故にそれを成立させるには並外れた技術とタイミングそして勇気がいる。」


「へー」


「まぁあのタフなヒーポだからカウンターが決まっても一発じゃ仕留めきれんだろう」

(まっ二回戦で見せたアレが決まればわからんがな)


闘技場が静けさに包まれる。


ヒーポはピーカブースタイルで腕の壁を作り左右に振って備える。

対してセイニヒはデトロイトスタイルを前傾させた攻撃特化のスタイル

まさに矛と盾だが仕掛けたのは盾からだった。


「行ったー!ヒーポのチャージがセイニヒに向かうぅうう!」


一気に間合いを潰さんばかりのダッシュ


「アイツの直線の速さは速えっ!だが動きが直線的な分セイニヒには絶好のカウンターチャンス!」


(お前にはこのパターンしかないのは知ってたオープニングヒットは貰ったぜ!)


 セイニヒの左が一閃ヒーポの顔面に直撃の筈だった。


 ヒーポはダッキングをし回避そのまま攻撃ち移り左のボディリバーブローを叩き込む。


(くっここに来てダッキングのキレが増してやがる!)


セイニヒはサイドステップで離脱


「回避しましたよ!」

ニーカが興奮した様子しゃべる。


「いやヒーポには追う足がある。」


 セイニヒに追いつきヒーポは再びリバーを放つ。


実「追いつきざまにヒーポに左が追う!」



「当たる!」


「いや」


 追うことも読んでいたセイニヒはそのボディカウンターを合わせていた。


 だが直前でヒーポは停止セイニヒのカウンターが空振りする。


「空を舞うセイニヒの拳コレを読んでいたのかぁっ!」


「このタイミングで!」


(止まれるのかよ!)


(このタイミング貰ったぁあああ!!)

ヒーポのリバーが刺さる。


「ごっ!」

(くっそ朝食ったのを吐きそうだ!)


「ぬぅううう!」

ヒーポはそのまま右フックを決めにいく。


 セイニヒはスウェーで躱す!


実「ヒーポそのまま左のストレート」


(動きが大きいぜ!)


ヒーポは確信する。

(これは避けきれない!耐えろぉっ!)


バァッン!


実「カウンター一閃!ヒーポの顔面に突き刺さるー!」


セイニヒが大きく下がる。

「野郎っ!」


実「おっと苦悶に顔を歪めているのはヒーポではなくセイニヒの方だー!コレは一体!」


「額で受けやがった」


「どういうことです?」


「ヒーポは躱せないと踏んだ途端あのぶっとい首で衝撃を吸収させて額をぶつけにいったのさ。しばらくセイニヒの拳は使いもんにならねぇ」


「そんな子供の喧嘩みたいな」


(まぁな、でもあの頭突きは効くなぁまぁでもセイニヒのフットワークは落ちねぇがな)


セイニヒはステップを加速させる。


ヒーポはその様を目で追いながら

(早すぎる!サイドステップで円形に使われてもリズムも一定じゃないしかもこのスピードから)


実況「セイニヒは円を描くように左の速射砲をぐるりと打って行くぅヒーポの足が止まる!」


(速いっ!)


ヒーポは大きくバックステップを繰り出す。


そして右を向いて反動をつけた右フックを放つ。


セイニヒ左腕をクッションにするが威力は伝わる。


(それは分かっていた事だっー!)


「ぬぅっ!」


セイニヒは右手のフリッカーで距離を稼ぎに行く。


だが重装歩兵を思わせるヒーポの前身は止められない。


上に上がる軌道に合わせ懐に入るが


セイニヒのスイッチ瞬間左のショートアッパーがヒーポの頭を跳ね上がる。


その様子に冷静に見据える鉄斎は思う。

(どこまでも冷静だな上に上がる軌道、ヒーポのスタイルにそって最も効果的なパンチを打ちやがった)


 だがヒーポはふらつく事なく攻撃に移る。


「マジかっ!」


「おいおいあのタフさなんなんだよ」


「そりゃああの人はリベルドのラッシュを防御魔法抜きで耐えきった人ですからね恐らく打たれ強さならウチのガーナとタメを晴れるレベルじゃないですか?」


「まぁでもあの小柄な体格でなんつう」


セイニヒは逃げ切れるのが難しいと判断したやいなやヒーポの肩とがっちりとぶつかる。


(ほぼほぼゼロ距離の超近接戦!)


実「さぁ超至近距離のインファイトだぁー!」


「あの距離なら小回りの効くヒーポが有利だ」


「でもセイニヒのハンドスピードも侮れませんよ」


「両者アストライドポジション」


(行くぜぇ!)


(退くもんかぁあ!)


「セイニヒの閃光のような拳がヒーポの顔を掠める」


「ヒーポも負けじと右の砲弾をぶち込むー!」


 ヒーポの続けて打つのをセイニヒのショートストレート三連発が許さず。


(調子に乗るなぁ!)

セイニヒはそのまま手数でヒーポを追い詰めようとする。


(連打させるなぁっ!)


実況「ヒーポのリバーが突き刺さるー!」


そのまま撃ち合いが続き両者距離を取り暫し休憩に入った。


今度はセイニヒが高速のジャブでペースをつかみにいく。


ヒーポはウィービングを繰り返し接近していく。


セイニヒは何かあると予感する。

(なんだ?あの動きただの防御じゃない!)



「あの無限の字の軌道、」


「知ってるん出すか?」


「いや先日のカエルパンチといいこの世界でアメリカボクシング界古のフィニッシュブローを見られるとは」


「アメリカ?ボクシング?カエル?」

ニーカは怪訝といった表情で見る。



ヒーポの動きは速く、大きく、力強くウィービングを繰り返す。


「アレがデンプシーロールだ」



そして左右のフックの連打がセイニヒを襲う。


セイニヒはガードを構えるがそのガードは僅か3発で破壊された。


そして顔を出した顔面に左右の高速のシフトウェイトを繰り返し反動の付いた強烈な左右のフック顔面に襲いかかる。


セイニヒはリンボーのように弾けヒーポのフィニッシュの全体重を載せた右フックがセイニヒの顔面に決まる。


セイニヒは倒れ臥すが


ヒーポは背中を向け高らかに拳を突き上げる

誰もが試合の決着を確信したが直後


ザリっ


「どこ…向いてんだよ…俺はまだ立ってるぜ?」


(セイニヒさん)

ヒーポは止めるを刺さんと向かうが


セイニヒはその動きがゆっくりと見えていた。

(ふふっこのタイミング今だココに全てを注げ!威力なんざいらない、ただ走ってくれ俺の拳よ―)


完全なるタイミングでそして来るはずのない意識の外から来る完璧なカウンター


カツーンとヒーポの顎先を掠める


次の瞬間ヒーポは膝をついた。


鉄斎は冷汗をかいて目を見張る

「……芸術だ間違いなく」


だがセイニヒもあまりにもその代償も高く彼も地に伏す。


ヒーポは脳と下半身の通信をぶった切られ立つ事おぼつかず


セイニヒはダメージにより顔を上げる事すら叶わない


「この勝負先に立ち上がった者が勝者になる。」


数十秒後


観客がざわめく


「立ち上がり出したぞ」


「二人同時だ!」


「どっちだ!」


セイニヒは立ち上がり


「ヒーポぉ……俺の……」


ヒーポもよろよろと立ち上がり


「セイニヒさん……僕の……」


「負けだ」「勝ちです」


セイニヒは仰向けに倒れ

ヒーポは拳を高く築き上げた


「やったぁあああ!!」


セイニヒ三回戦敗退。




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