Dブロック二回戦
審判が中央で拡声魔道具を手に喋る
「えー照芳選手の対戦相手がルーナ選手の予定でしたが1回戦の後に毒による不正が発覚し不戦勝になります。」
会場がどよめきで溢れる。
「この事態に照芳選手は心を痛められ観客の皆様に少しでも楽しめるように模範演武を披露していただけるそうです。」
すると一転して観客の拍手が起こる。
そして
「おまたせいたしまして!!遂に始まる同門対決!!流閣選手対俊樹選手!!サラブレッド対雑草!!両選手が中央で構えます。」
俊樹は目の前にいる目標を見ながら思う。
(昔からアンタには負けたよ流閣、でもこれは俺が戦士としてお前を超えたいんだよ)
流閣は自身の前に立つ男に敬意を表していた
(強くなった。よくぞ私の前に現れた!ここからは何も言うまい、思うまい。)
「構えてぇえええ!」
「はじめっ!!」
俊樹は序盤かは足刀を繰り出す。
「むん!」
流閣はそれを受け止め即座に貫手でアキレス腱を刺しにいく。
俊樹は即座に足を流閣の首に引っ掛けぶん投げる。
景色が一回転するさまに流閣は驚くも着地と同時に破槍を繰り出す。
俊樹は右肘と右膝で挟み潰そうとするが
ピタリと止まり
(フェイント!!しまった!)
左正拳突きが炸裂!
俊樹の顔面を捉える。
(拳の感覚が遠のく)
俊樹は上半身を大きくバックさせ威力を減退させ。
回転の威力を載せた蹴りを流閣の脇腹に当てる。
「〜!!」
三日月蹴り!
流閣自身の身体を固めるも肝臓せのダメージは甚大!
動きが鈍くなる。
「おおおおお!!!」
俊樹はそのまま乱れ突きを放つ。
捌ききれず被弾する流閣!!
(くっ脚が止まり腕で防ぐが右の動きが鈍い!)
試合は膠着状態を迎える。
徐々に流閣のダメージが抜けた刹那。
「見切った。」
俊樹が前蹴りを放つ瞬間
「すり抜けた!」
観客の反応は凄かった。
「鉄斎さんのワザ!」
「あの技術は俺固有じゃねぇ修練を積めば出来るさ…」
(けどよぉ俺が10年くらいで漸く実践で使えるようになったのに出会ってまだ一年かそこらでやられちまうの妬けるぜ、)
流閣はそのまま攻勢に転じる。
(俊樹君はあの頃より突きも蹴りも鋭くなった。おまけに対手も使えて攻撃の幅が広がったねけれど守りはまだまだだね)
流閣の渾身の右の正拳突き6連撃!
俊樹は倒れる。
「まぁまだまだだね」
流閣三回戦進出!!




