Aブロック2回戦 ルッソ対リベルド
「さぁっ!やって参りました!!裏社会の喧嘩屋ルッソ対ガルリム連邦国最強のリベルド!!この対決は誰もが夢見ていたでしょう!!裏対表!!暴力対武力!!どちらが上か今日分かる!!」
観客のボルテージが上がっているころ
ルッソ控え室
ルッソはアルコール度数の高い酒を瓶の中身全部飲み干すと
「おうっ片付けとけ」
「うすっ!!」
そのまま闘技場へ向かう。
リベルド控え室
「アンタが何故この大会へ出たんだ?」
「理由は二つある。一つは欠けたものを取り戻すためもう一つは君ともう一度やり合うためさ君が待つところまで行かせて貰うよ」
「そいつぁ怖え」
そうしてリベルドは控え室を出る。
その後ろ姿を見て鉄斎は
ゾッとするような視線だったなもしかして奴が取り戻したいのは……
両雄が入場する。
観客席では
「鉄斎さん試合ぼちぼち始まりますよ」
「悪かったなニーカ」
「となりの良いですか?鉄斎さん」
「ヒーポか別に構いやしねぇよ」
「やっぱり凄いもんですね」
「何がだよ流閣?」
「リベルドと戦ったこの三人でリベルドの試合を観るとは」
「ははっまぁお前らは負けたけどなぁ〜」
2人がムッとするのをニヤついたあと
「まぁでもあれから約一年全盛期は過ぎてるだろう」
さっきの言葉も気になるしな
「そうかなぁ?」
「ヒーポ?」
「リベルドさんは一応ガルリム連邦の試合にも出てたんですけど鉄斎さんと戦った以前に比べて物凄く技術が上がったんです。ただ流閣さんと戦った時に出たあのスタイルは一度も出ませんでしたが」
「ふーん」
そう話してる頃にはレフェリーが中央に陣取り
「構えてぇえええ!はじめっ!!」
ルッソはガニ股で両手を大きく広げた構えに対しリベルドは
「あの構えは……」
「あの両腕を落とした攻撃特化の構えは」
「技術特化の構えじゃない、正反対の暴力、つまり腕力に特化した野性の構え」
「防御なんざ考えてねぇ相手を殴り倒す事しか考えてねぇ修羅の構え」
「まさか暴力の体現者のルッソに同じ暴力で挑むかリベルドのおっさんはよ」
鉄斎達が驚いてる頃にルッソは振りかぶりリベルドは突っ込んだ。
「突っ込んだ!!」
「アームハンマーの餌食だぞ!!」
「喰らうのか!!」
ルッソの振り下ろした右にリベルドのエルボーが衝突する。
両者拳と肘から出血、
「ふんっ!」
(いいなっルッソ君!君なら鉄斎君とやりあう前に昔の私を取り戻させてくれそうだ!)
殴り合いっこを想定していたリベルドの予想に反しルッソは飛び上がり
「あの巨体で飛んだ!!」
ヒーポはその行動に目を見張り
「しかもそのまま胴回し回転蹴りだとぉおおお!」
セイニヒはその攻撃を
リベルド肋骨が折れる
(〜っ!!肋を2本持っていかれた!!)
堪らずリベルド距離を取る。
「はぁはぁはぁはぁ」
リベルドは自身の口から血が出てない事を確認する。
「血は吐いてねぇって事は内臓損傷は免れたか」
「だがあの蹴りを受けてはスピードは出ないあのパワーの権化とやり合うのは分が悪過ぎる」
「ルッソが突っ込んだ!」
ルッソはそのまま下のアッパーを繰り出す。
リベルドはガードするもそのアッパーはガードをブチ抜き鳩尾に深々と突き刺さる。
「ぼはぁっ!!」
ルッソは左手でリベルドの頭を掴み壊れた右でボディを叩く。
リベルドはハッキリとした意識の中痛みを自覚していた。
(強いっ!あの蹴り!あの巨体であの蹴りを放てるかそしてこのボディブロウ)
リベルドは四度目のボディブローの瞬間左肘を使い先ほどと寸分違わずの所を撃ち抜いた。
ルッソは不思議そうに自身の右手を見てる。
リベルドは離脱そして自身の構えを解いた。
(初めてだ!生まれ落ちてこのかた幾度も戦ってきた…鉄斎でさえ私にこの感情を抱かせなかった。まさか君との戦いで連想するとは……圧倒的なまでの死の予感ここまで寒く冷たく恐ろしい……だがこの感情の根底にあるのは殺意と歓喜!!)
「リベルドのおっさん、、笑ってやがる」
「穏やかとは程遠いどう猛な笑み」
「獣のソレと変わらねぇ」
ルッソの本能が目の前の敵に警鐘を鳴らす。
「速え!!この速度は」
(俺以上の初速!!)
セイニヒがそのスピードに慄き。
「あの低い体勢のまま!!」
流閣はそのまま驚く。
「あの動き……」
(脳のリミッターが外れたか?)
リベルドはルッソの懐に入った瞬間。
怒涛のラッシュを叩き込む
(打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打)
「正確無比な打撃だ。内臓の急所を全部捉えてやがる」
「あの精郷併せ持つスタイルは……鉄斎さんとやりあった時の!」
「いや、あの頃より動きが速えっ!」
ルッソはそのラッシュで呼吸困難に陥っていた。
起死回生の左の膝蹴りを放つ。
ニヤぁ!
リベルドは笑みを浮かべ
斜め下から左手の腕を使い膝蹴りを逸らしその先で右のひじの打ち下ろしを合わせ、
ばきゃっ!!!
「膝の皿割りやがった!」
ルッソが縮こまる前に強烈な左ローを叩き込む!
「半月板まで砕きやがった」
ルッソの顔が落ちる瞬間顎先目掛けてリベルドは全体重を乗せた右ストレートを打ち込んだ!
ガキャッゴッ!
(いいぞ顎の砕ける音だ)
白目を剥いて倒れかける頃
(ま・だ・だ・ゾ!)
リベルドはさながらサッカーボールキックの要領で左脚を顎先を蹴り抜いた!
ルッソは意識朦朧の中スイッチが入る。
両手の拳でサンドイッチをする。
そしてその軌道を上にズラす。
「…!!」
そして右の踵落としでルッソの顔面を砕き試合は幕を降ろした。
「鉄斎さん?」
「その表情」
「あぁ悪いあの動き」
(柔ノ型だと?いやあの動き)
「試合終了!!!担架を!!!」
騒然としたまま終わった。




