Dブロック第四試合 アモン対 俊樹
アモン控え室
「にゃ〜」
俊樹控え室
「ふっふっはっー」
俊樹はアップを繰り返す。
観客席では
「お疲れさん流閣」
「鉄斎さん」
「なんか不満気な顔しやがってそんなに釈然としねぇか?」
「ベンガルリンさんは何故あの場で棄権を」
「そりゃお前職業柄だろ?」
「職業柄?」
「俺らみたいな闘技者タイプは勝負の勝ち負けにこだわりを持ちベンガルリンみたいな傭兵タイプは損得にこだわる……ようは人種が違ぇんだよ」
「はぁ」
「まぁお前の次の対戦相手が決まるんだ、どちらが来るか注目した方がいいんじゃねぇの?」
「そうですね」
アナウンスの紹介が流れる。
「一回戦の最終日、その最後の試合です!!武閣流から俊樹!!野生児アモン!!この両者の対決です!!」
両者入場しお互い構える。
レフェリーが中央に立ちコールする。
「構えてぇえええ!試合開始!!」
俊樹は両手共に貫手を備えた構えに対するアモンは
「四つ脚?」
「一体……」
(背骨を逸らし軽やかなその姿勢はネコ科のそれだな)
アモンは天涯孤独の身だったそんな彼が何故行き延びたのかそれはアモンはウォー・ウルフという魔獣に育てられたからだ。ウォー・ウルフは子供が成人するまでに母親と父親が面倒をみる魔獣なので生まれた子と一緒に捨てられたアモンはウォー・ウルフに育てられ、12の頃まで彼は自身をウォー・ウルフと認識していた。
だが先の対戦で魔人がなだれ込み成長するにつれ自身の身体つきがウォー・ウルフではないと悟ると人里近くを住処にし人間を観察しながら二年間過ごしカタコトながらしゃべる事も出来るようになった。そんなある日狩をしていた。時にアナルガルド最強トーナメントのスカウトを助ける事によりこの戦いの門をくぐった。
そしてアマンはそのままじっくりと俊樹の周りをぐるぐると回る。
鉄斎はアモンの動きを注視しながら過去の対戦相手の中から似たような奴が居た事を思い出した。
たしか中国の拳法の中には動物を模した戦い方があったがリアル動物くんが来るとはな、気を付けろよ俊樹身を低くしたところから襲ってくるぞ!
鉄斎の予想通りに跳ねるアモン
武閣流「モーセ」
俊樹の貫手を躱し反動をつけ蹴りを胴に当てる。
(このスピードにこの重さ!これを連続で貰えばヤバイ!が)
「ぶにゃっ!!」
アモンの太腿から大量の出血が出る。
「悪いが太腿を貫かせてもらったよもうその動きは出来ない」
「がるぁっ!!」
「このまま突っ込んでくるか!」
武閣流 「モーセ・ツヴァイ」
両手の貫手を放つ。
アモンは貫かれる刹那アモンは思った。本望だと
ザシュッという効果音の後にアモンは倒れた。




