鬼屠りし者
集団戦って言っておきながら一対一です。
グワイガンは魔闘士として国有数の実力者です。
―グワイガン視点―
辺りに焦げた臭いが立ち込める
目の前には嬉々としているオーガがいた
「後ロニ飛ンデ炎ノ全身火傷ハ避ケタカ…ダガ、ソノ両腕ノ損傷ハ免レナカッタヨウダナ」
グワイガンの両腕は焼けただれていた
魔力も底を尽きかけ目の前が朦朧としている。
時間は稼いだ。
レナの事は気掛かりだが、あの二人なら守ってくれるだろう
「今宵ハ楽シマセテクレタ礼ダ苦痛ノナイ死ヲアタエヨウ」
だが、オーガのそのセリフなどグワイガンの耳には入っていなかったグワイガンの耳には別の声が聞こえたからだ
「その前に、俺と闘ろうか♡」
奥から現れた男、鉄斎である。
―鉄斎視点―
「その前にそいつを介抱してやりたいんでな」
鉄斎はグワイガンの前に移動し、傷を診る
「こりゃひでぇな」
拳の火傷が酷いそれに意識が混濁してる
「待ってろ」
気功医療×気功活性
火傷を治しつつ腕の修復、気功活性により混濁した意識の覚醒
「これで応急処置は完了だ」
「テッ…サイ…ド……ノか。」
「だんだんハッキリと視界がクリアになってくるハズだ」
グワイガンは弾かれた様に喋り出した
「オーガの魔撃は火ですが奴のソレは火を上回ります魔力を持つ私ですらこの有様です!魔力を持たない武闘家でもアレを防げるかどうか!!」
鉄斎は余裕の笑みを崩さず言い放つ
「よく見ときな魔術なんかに頼らなくても勝てる所を見せてやる」
鉄斎は振り向き
「待たせたな」
オーガが言う
「構ワナイトモドウセ死ヌソシテコレガ貴様ガ舐メテイル我ガ炎ダ!!」
オーガは先程の炎のブレスを吐き出した
このオーガの個体は身体能力もそうだが、通常のオーガの6倍の魔力を所持していたその魔力を全力で吐き出すブレス。
この技でこのオーガは成り上がったのだ
かつてこの技を防いだ者はない…オーガは自身の目を疑った
「目の前に起こってる事が不思議かい?」
螺掌流 気操 受ノ型 「廻し如来」
あらゆる受け技の要素を持つと言われる廻し受けそれを気功操作により範囲拡大、防御層の厚みを持たせたこのアナルガルドにおける最高峰の受け技である。
「そんな蝋燭の火みてぇなちゃちな魔撃に傷1つつけられねぇよ。」
「アッアアッアアアア‼︎!!」
するとオーガは突進気味の正拳突きを繰り出す。
背中にゃグワイガンがいるから避けられねぇな、
気功活性×気功武闘×三戦
琉球王国(沖縄)発祥の地である空手の守りの型三戦である。達人級にもなるとあらゆる打撃をも耐えると言われているそれを更に気功活性によりダメージの吸収、気功による闘気を纏うことによる頑強さを1つ上の段階に押し上げる。
この受けはあんまり使わなねぇがな
せっかく相手から密着してくれたんだ
身体を相手に密着させ右手で顎を捉えて左手に相手の腕ごと腰を抑えてこの要領で投げるその技
は…
螺掌流 気闘 柔ノ型 「兜落とし」
合気道の当身技ら正面当てである。
かつて先代螺掌流当主が戦の折に相手の武将の兜をこの技で割ったことでついた名である。
受け身はとらせねぇ
ズドオオオオン!
足下には頭部が吹き飛んだオーガの死体が転がっていた。
「終わったな首無しだけどこれでこの群れも退くかね?」
グワイガンは顔を引攣らせながら
「あっああ」
と言うしかなかった。