Cブロック 第一試合 幻斎対クラン
選手控え室でのびのびとする幻斎。
「ほほほ」
「親父ぃ」
「なんじゃい?鉄斎や」
「親父の対戦相手なんだがよぉ」
「わかっとるわあれじゃろ?そのーあれじゃよ」
「いや、全然出てきてねぇよ!」
「まぁこの舞台に生まれも育ちも関係無かろうて」
「まぁいいよ。いずれにしろ勝ち確定だろうからそりじゃあな」
「さてとやるか!」
クラン控え室
「魔術伝導率98パーセント、身体能力ブースト24パーセント増、身体キャパシティ75パーセント以上。魔術による身体感覚の向上を確認」
「さぁ三日目の試合になりました!!この対戦カード異色中の異色!正体不明対年齢不明!お互いがデータ無し!逸話無し!これほど人気を呼びそうもないカードがありましょうか!しかし!このアナルガルド最強トーナメントのコロシアムは満員です!!そして各闘技者達も観戦に来ている模様!!」
両者が入場しレフェリーが事前注意を促す。
「武器の使用のみを禁止します。それ以外は何をやっても構いません。」
「ほっほ今さらだのう!」
「…………」
両者が距離を取り構える。
「構えてぇえええ!試合開始ぇええええ!」
クランは構えない幻斎を観察しながら魔力感知を始める。
(魔力感知に反応が無い、だが身体感覚が鋭敏な今なら何か靄のような……っ!)
クランは咄嗟に横に飛んだ。
瞬間クランの立っていた位置に縄を叩きつけたような跡が残っていた。
「なんじゃいお主見えとるんかい……じゃこの手数ならどうかの!!」
(見えてなどいない!!だが感覚器を魔力から五感へシフトそうすれば見えはせずとも探知は出来る!)
とタカをくくっていたクランは次の瞬間に空を見上げていた。
気功奥義 「気四肢」
気 足払い
気 小手返し
気功により手足を複数再現し、足払いや小手返し強制的に投げ技へ相手を乗せる荒技。
そしてそのまま気功技で勢いよく幻斎の元へ運ばれ、
「さてカッチョ良く最後は指一本で決めるかの」
幻斎は指一本構えてそのままクランが喉元から突っ込む形で
気功 武闘 「指混濁」
ノックアウト
「それまで!!!」
場内は唖然とした状態の中幻斎の息子である鉄斎は
「うん、格闘技ではないわコレ」
「次勝ったら僕あの人とやるんですよね?」
「うん、お気の毒にヒーポ」
「そんな事言ったら俺あれの息子だからね?」
「………ごめんない」




