せめぎ合った思想
王は思う
目の前の人は正面からでは勝てないと、同時に思うこいつの持つ技術が欲しいとこらだがここは無理をして欲しがるべきなのか?自身を更に高位へ押し上げるのに、必要なモノなのかと、
王は結論付ける。
要らぬと。
王は飛龍から飛び降りる
「逃すか!!」
飛龍のある術式を施しそれを落下しながら見送る。
「これは、!」
飛龍に蓄えてある魔素を全て爆破させる。
「ギー」.
王はそのまま海に着水し、浜辺まで泳いだ。
そして、王はオオアザの国気功の里前に着いた。
目的地に近づいた事を実感しながら歩を進める。
ザクッ ザクッ ザクッ ザザク ザクッザ ザクッ
「まだ終わってないでしょう、どこ行くんです。」
そうやって振り返った王の目線の先にはあの男が、足元には半壊した背中の羽が
王はブルブルと震えてから意を決して挑む。
「ギギギギギッギィイイイイアアアアアア!!」
武閣流 縦中の構え
「おおおおおおおおおおおおお!!!」
そういう流閣も限界だった背中の火傷の裂傷は深く活動時間は残り幾ばくか
2人の決戦が始まる。
その短くも濃密な攻防の中で2人は眼前の敵を倒す事に神経を注ぎながら2人は別の事を考えてもいた。
王は自身の野望の達成の為に何をすべきかをまるで繰り返し計画の修正案を作り続けるサラリーマンのように事務的に考えていた。
一方流閣は師との思い出とこれから共に歩むと誓った妻とのやり取りを思い出していた。
………
「確かにお義父さんの仇を討ちたいのはわかるけどそれは貴方だけでやれば良いものではないでしょう!?」
「わかってくれレナ、これは武閣流当主としてのけじめと師を慕った1人の男の矜持なんだ。だから必ず君の元に帰るから。」
「わからない私にはわからない」
……
そして王の突きが流閣の腹に深々と突き刺さる。
膝を突きゆっくりと地に伏せる流閣。
レナに謝らなきゃなぁ、もう身体が動いてくれそうもない
必ず帰ると言ったのに、ゴメンなぁもう声を上げる気力すら―
………
「流閣や何故お前に流の文字を与えたと思う?」
「はぁ?僕のスタイルですか?」
「アホウそんなもん名前に付けてどうすんじゃ」
「武閣流の流れとお前のこれから先の流れを連綿と続くようにと思ってこの名を与えた。過去と未来二つの点を結び、一つの流れとせよ」
………
………
「流閣お前さん子供の名前とか付けたのか?」
「まだ自分そんな段階じゃありませんから」
「へぇーまぁそうだな俺の知るところじゃあ子供の名前には親とか先祖の名前から持って来るのもあるらしい―」
「へえそれは初耳ですね」
「俺の名前の由来の鉄は曲がらないって意味らしい」
………
ハッ
流閣は落下の速度を踵に加えてバネの様に使い貫手を王の眉間に向かって刺した。
「あぁ!」
流閣その加速し王の頭を縦に切った。
そして流閣の視界は闇に覆われた。




