救難雷伝
そして鉄斎達の稽古に混ざって2日後、
ローディアン門前の警備兵が目を凝らす。
「なんだあの光は?…赤い?」
「稲光が山の奥から地面を走っている!!雷が地面を這うようにも見えるシルエットは?」
「サーチ・エンチャント……人だ!!しかも物凄い速さでこっちに来るぞ!!」
「…あぁくそっ魔力切れかでも良かった国境は超えられたみたいだ。ローディアンはここで間違いないか?」
「アンタは?いやそもそも不法入国だ捕縛するぞ」
「あぁ捕縛してくれて良いだが必ずローディアンに連れて行ってくれ伝えたい事がある。俺の名はセイニヒだ」
「まぁ詳しい事はローディアンの治安部で聴かせて貰うぞ」
「あぁ」
その頃オオアザ国では、
先の戦いの傷が癒え、以前"堅牢"の二つ名に恥じぬ男ガーナ・クリスは空を見上げた。
「あの空飛ぶ巨大なトカゲは?」
「あの方角は帝国?」
「奴らもう仕掛けて来たのか!!」
「急げ!!」
兵士達は伝令に走る。
「報告にあるこの空飛ぶトカゲとはドラゴンか!」
光圀は珍しく動揺する。
(伝え聞いた話では、ドラゴンははるかに昔に絶滅したはず、それが帝国の方角から現れるとは、だが絶滅したのではなく捕獲されたのか?)
「一応の停戦協定は結んでいたはずだが、それに魔導塔を使えばあんなもの使わずに済んだモノを何を焦る?」
「ただ帝国の手の多さには驚かされますが」
だがその推察は外れる事となる。
事態は既に未知の段階へと進んでいた、、




