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異世界拳闘道  作者: 泰山仙人
侵略戦争
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エルフの戦闘


ローディアンの国樹の根本にはいくつかの施設があった。

東京ドーム程の大きさの施設に案内されていた。


「ですがこの国はこの大樹と共に今日まで歩んできたのも事実です」

エルエルは続きける。


「この大樹の影響で人の限界を大きく超えた魔力保有量、おかげで人類で最も早く魔法が使えるようになり積み重ねた経験を次代に残し、この国は生き残りました。」



「この木の枷をつけられたが時間の積み重ねがそれを補って余りあると)

照文が述べる


「そしてこれからご案内するのは我らローディアンが魔法と同等クラスに発達したもの」


「それにしてもこの振動は」

ニーカが場違いな発言をする


「…直ぐにわかりますよ」

そしてクスリと笑った後エルエルは扉を開けた。


鉄斎一行が目にしたものは


「せいっ!」


「はあっ!!」


「フィジカル・エンチャント!」


「鞭剣!」


修練場であった。


「これは……」


エルエルが満足そうに告げる。


「そう、魔素の容量に対して吸収する能力の弱いエルフ達が補った術…それこそが"武"なのです。」


「武器術、徒手、魔闘士、魔法使いこの世界の戦闘の最先端ばかりだな」

と感心する鉄斎。


「我らは国樹の国境内なら無敵なれど魔素が切れれば弱ります最初は魔素を切らさぬように培ったものですが、いつしか魔法と組み合わせより高みへと達しました。…聞けば鉄斎さん、流閣さん、照文さんのお三方はオオアザ国有数の武闘家であらせられるとかどうです?混ざられますか?」

エルエルは挑発めいた目線を向ける。


「いいねぇ、じゃあ俺はあそこの徒手に混ざるかな」


「私は武器術に」


「私は演武の方に」


「早い!!」

かくして戦闘狂供(オオアザの戦士達)は散った。



エルフの武器術

体重の軽いエルフ達が得意とするのはレイピアであった軽くしなりそしてつかの部分に賢者の大樹の枝を使用しており。魔法を付与することも出来る。


エルフが岩に

「ふ!っ」

瞬時にレイピアで器用に岩にメッセージを掘る。


「ははっ『ようこそ』…か。嬉しいですね」


「ようこそオオアザの人ここは武器術になります。…見たところ武器は所持しておられないようですが、対武器の徒手でも歓迎しますよ」


「あぁ申し訳ない武芸百般とはいきませんが短刀、刀、槍なら心得がありますよ。」


「ははっありがとうございます」



そして流閣は掘られた岩の反対側の前に立ち一度礼をした後。


構えてそのまま手刀でザクザクと掘る。


「「豪華な武器術に感謝」と掘らせていただきました。」


「おー」

ところから拍手が起こる。



「さて、前戯へこれくらいにしてローディアン武器術よろしくお願いします。」


こうしてオオアザの戦闘マシーン2号がエルフの武器術に加わった。


エルフの演武

「綺麗な演武ですね線の細いエルフの特性を生かした軽やかかつ華やかな演武だ」

照文が目を輝かせる。


「オオアザの人も面白い事をおっしゃる巷では、美の追求は実践的ではないと見る者居ますのに」

どこか諦観したように告げる中年のエルフ


「何を!『演武は乱取り(立ち技の実践稽古)のつもりで乱取りは演武のように』という金言まであるのに」

照文はさもありえんという表情で返す。


「我々はこの演武を通してより武の見識を広めたいのですよ」

それでも譲れない誇りを滲ませるエルフであった。




エルフ徒手

「へぇこれがエルフの拳法かい」


鞭のような空気の破裂音がこだまする。


「平手打ち…か」

(イップマ○みてぇだな)


「そうですね我々エルフは魔力により身体強化を施せてもその攻撃に重さを乗せる事は出来ない…故に研ぎ澄まされた五感とより早く軽い動きで翻弄し、あのように肌にダメージを与える鞭打で一撃離脱を得意とします。」


「ふむそして近接の攻撃魔法でより威力を上げると」


「そうなりますね、この徒手組では最も速さによるリーチの長さがキモですね。」


「あれを目で追うのは難しいでしょうな」

(まぁネール闘技場の時のセイニヒ程じゃあないが)


「まぁ実際に体感されますか」


「いいですねでは、よろしくお願いします。」


そして爆炎の格闘妖精と揶揄されるキーマが相手になった。


「オオアザの国の人俺は手加減が下手だぜケガしないようにな!」


「心配してくれてありがとよボーや」


「フンッ」


「それでは、はじめ!!」


(まずは遊ぶかい)

鉄斎はボクシングのデトロイトスタイルに構える。

鎌のように揺らす左手に気功装備を施し。


(先端部に塵がひっつくイメージでしならせる拳は握り込まず緩く脱力して…肩から先を操作するように…これかっ!)


鉄斎が腕を振るった瞬間キーマの顔面に鞭の破裂音がこだまする。


「フムッ名付けて塵鞭」


この鉄斎の気功糸、塵鞭は気功技に空中の塵を纏わせて攻撃する代物である。

遠隔攻撃なだけに威力は低い。

気功糸でアリアドネを切り裂けたのは空中で波の様に塵を何度も加速させて生み出した刹那の斬撃技である。尚幻斎の気の練る総量は鉄斎の100倍近くあるため気牢のように相手を覆う程のエネルギーが生成される。



「ツゥ〜〜、野郎!」


「威力は下の下だが加速を止めるにゃ充分!!」


そのまま鉄斎は次々と塵鞭を当てにかかる。


「この程度!」

だが、キーマはその全てを掌ではじく、


「おいおい!まじか!!アンタにゃこれが見えるのか?」


「貴様から出てるであろうその魔術は見えんがサーチ・エンチャントされた俺の耳は空中の塵の流れすら見えるんだよ」


そう言ったそばからキーマは加速する!!


「ボム・ハンズ」

風魔法と火魔法の組み合わせ技でキーマはある。

普通は外向きに風を発生させて技の効果範囲を広げるがこの魔法は逆に内向きに風を送る事により高威力の爆発を生む!!


キーマは両手のボム・ハンズで爆発加速をさせながら鉄斎に近づく。


「野郎!!」

気功予知 × 螺掌流 「先の先」


(右にまばらに現れる爆発音だが反対には風切り音?呼吸音、足音や衣服の掠れる音)


この未来(ビジョン)は!


鉄斎は爆発と違う真逆に技を打つ

螺掌流 気装 柔ノ型 「巻き縄落とし」

腕を緩ませ相手に紐のように引っ掛け身体を使って引き落とす。


「おわっ」

キーマはそのまま地面に加速をつけたまま振り落とされた!


鉄斎はそのまま脚でキーマの肩を固めて顔に寸止め決着である。


「いやっ驚いた短気な若造演じたけど見破られたか〜それにしてもなんで俺の位置がわかったんだ?」


「爆発は加速と位置のフェイクだろ?本来の身体能力でスピードは充分それにわざわざ爆発の加速を入れたのは本来の風魔法の加速と足音を消すためかな?反対にいたのは呼吸音と戦闘経験かな?」


「負けたよまたやろう!」


「あぁ喜んで」


「キーマ兄ちゃんボロ負けじゃーん」


「うっせフーゴお前はまだ成人してないだろ?観戦席に戻ってろ」


「もう僕が入門する年になったら絶対教えたよね」


「へいへいわかったよ、ったく」


「あっオオアザのにいちゃん強かったね。」


「おっありがとよ坊主」


「えへへじゃあ僕は母ちゃんの手伝いあるから」


「じゃあな」


フーゴは修練場を出て行った。


こうして和やかな雰囲気も束の間唐突にそれは現れた。

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