表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界拳闘道  作者: 泰山仙人
侵略戦争
55/98

国樹

エルフ彼らは体重が軽いどのくらい軽いのかというと指先一本で持てる。競技用自転車と同じくらい軽いそんな彼らはありえないくらい魔力保有量が高いんだとな


「…その理由がこの大樹かい?」

鉄斎一行はローディアンの国樹たる『賢者の大樹』を見上げる。


ローブを着たエルフの青年が案内している。

「はいローディアン建国以前より既にこの大きさだったそうです。というかいつから存在しているのか我々でも把握出来てません。」


「魔学者達の間ではこの樹自体が魔素を生成してるって話だが?」


「その通りです。各大陸毎に魔素溜まりはありますがこの国以上の大規模な魔素溜まりや魔素の生成をするシロモノは聴いた事がありませんね。」


「へぇだからこの国のエルフ達は身体能力とりわけ免疫機能が弱いのな」


「免疫?」

ニーカが首を傾げる


「あぁ判りやすくいうと病気しやすいって事だよ」



一瞬にして場が凍る。



「鉄斎さん何故そのような事を考え、いや確信を持って言ったのです?」


「んー、的外れならすまないが俺らが人型の魔獣からその子を救出した後偉く衰弱しててな、あの蜘蛛の毒が原因の一端なんだろうがよぉ、まあ排出させたんだが微量でな、そんで毒物に詳しいファダール家に検証してもらったら麻痺する程度の毒で衰弱する類の物じゃないそうだ。例えるなら人族なら肌が被れる程度の毒物でもエルフ達にとってはイモ貝ばりの毒だ」


「イモ貝?」

全員が首を傾げる。


「あぁ〜あれだ刺されたら即死ぬ毒って事だよ」


「あー」

納得してもらったところで鉄斎は話を続ける。


「まぁそんな種族だきっと何かしら原因があるとすればこのでっかい大樹が原因の一端なのかなと…」


エルフの青年は大きく息を吐き

「これ以上半端な予測を立てられるよりかは全ておはなしした方が良いでしょう…何より貴方方は我が国の民の恩人だ全て話しましょう。」


そうしてエルフの青年はそれは長い長い自分達の起源を話していった。


人類が文字を綴る遥か前にそれは天からやってきた

数多の流星が地に降り注ぎこの星と混ざり合い

地は上がり

海は広がり

星は凍った。

悠久の時を経てそれは穏やかになった。

そして人が言葉を話す頃

氷が溶け出し世界各地に穴が開いた、

穴から空気と塵が吹き出でた。

この国の吹き出でた地に

一本の苗木があり、

穴から流れる塵を吸い養分とし、

穴から吹き出る空気を酸素とし、

ただの木は力強く逞しく太く大きく年を重ね

人々が文字を綴る頃には穴と同じように

空気と塵を生み出された。

人々が信仰に目覚めた時人は変わる。

身体は羽毛のように軽く

耳は尖り

あり得んばかりの魔を持ちいたる


「その木こそが賢者の大樹であり、

恐らくその影響で人から外れたのが我らエルフです。」


この話を聞いた全員が難解な顔をして

「つまりこの大樹がエルフの生命線だと」

照文がエルフの青年をまじまじと見る


「そしてこの木は変異した世界の象徴でもある」

バリーが大樹の葉を見ながら


「そしてこの童話のような話は」

流閣が遠くを見ながら


「えぇエルフの古くから口伝されてきた内容です。」

エルフの青年は続ける。


「この事実はエルフ全員知ってるんだろうが喋っていいのか?」



「この内容を他所に喋っていいのは、一部のエルフ達だけです。」

そしてエルフの青年はローブのフードを脱ぎ


「そうこの賢者の大樹を育てたエルフ一族の末裔、つまり王族と同等の権威を持つこのイクエス族の当主たる僕エルエル・イクエスです。」


「その額の紋章あの嬢ちゃんの」


「先の帝国との戦争で先代である父と兄が戦死しまして僕がその跡を継ぎました。そして兄の忘れ形見が彼女です。」



次回エルフ拳法が出ます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ