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異世界拳闘道  作者: 泰山仙人
侵略戦争
51/98

増殖

"世界の代行者"と呼ばれた個体は自身の母の亡骸を聖人の亡骸である".不朽体"とした。

そして実験動物達をまとめ統率し、現地の魔獣達を捕獲し、"不朽体"の持つ魅力によって洗脳していった。


元来935号に移植されたのは魔鉱石と人間と魔力生成臓器(マジックオーガン)の親和性を高める為の人体強化と感覚強化という術式であった。

これは魔闘士や近接魔術師の回避能力底上げの為に開発された術式であったがポール将軍の高い身体能力に目をつけ適合率を上げる為の実験であった。


そして何故935号から死後生まれるはずのないこの個体が生まれ、下級魔獣ではあり得ない戦闘力を誇り、魔獣とは思えない知性、所作を獲得したのかは不明である。


上級下級魔獣問わずその圧倒的なカリスマ性に魅了された。


そしてパーラー博士の脳内の情報を全て吸い出しより強力な魔獣から人型への変異を促したそれこそが魔人の始まりである。




この調査結果をフールズの会議で沈黙が広がる。

フールズのパークマンはこの事実に打ちひしがれる。

「くっ我々の進化の布石がよもやこのような形で反逆するとは」


「それに魔獣達が魔人となった事で対魔獣のエキスパートである魔術士達が太刀打ち出来なくなる可能性が」


「保有魔力量は以前の個体のおよそ2.5倍さらに使う魔撃も洗練され、より魔人各個体のバリエーションに事欠きません。」


「調査に送った精鋭部隊は全滅残された者の証言により死体は回収され恐らくは奴らの実験に」


「なんという…なんという事だ!!」


「くっオオアザ侵攻は見送る現時点で最も脅威たるこの魔人供を狩る」


そうして焦る帝国を他所にオオアザは既にローディアンに向けて遠征を始めていた。



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