世界の代行者
「なにっパーラー博士が攫われただと」
と魔導省長官ヒューズが魔導塔のメンテナンスの作業進捗の報告書に目を通している時にその知らせは来た。
「報告によりますと魔獣一体だったとか」
と秘書官が告げる。
「ばかな…帝国の護衛部隊を付けたのにか?」
と頭を抑えながら
「パーラー博士以外の人員は全員死亡…この報告も辛うじて生き残った者の証言です。…今朝方亡くなりましたが」
秘書官は淡々と告げる。
「そうか…その様子だと他にも何かあるようだな」
ヒューズは耳を塞ぎたくなるような感情に蓋をして聴く
「現場には血文字で"世界の代行者"とだけ……そして実験魔獣達が脱走しました。…搜索隊は編成してあるのですがローディアンとの国境付近の広大な森と山に囲われた場所に潜伏したらしく」
「そうか、ならばこの内容も議題に挙げねばならんか」
ヒューズは自身の辞職を覚悟し、進捗状況の確認を済ませ報告書を秘書官に執筆させている間にヒューズは辞職後の身の振り方と引き継ぎの準備に入った。
オオアザ国 首都オグシの居酒屋
夕方から呑んでる2人の男が居た。
「へぇお前さんがプロポーズするたぁなぁ」
関心しきりといった様子で酒を飲む鉄斎
「えぇ…まぁ」
照れながらも肯定する流閣
「…でどんなセリフ吐いたんだい?」
鉄斎はもう愉快で愉快でしょうがなくて聴いた
「そうですねぇ〜」
その様子を見ながら鉄斎は思う。
(この男がこんなベラベラ喋るとは相当酔ってんなぁ今が幸せ絶頂なんだろうなぁ今日はいい酒だ)
「まぁ結婚生活は夫婦を尊重し合わないとな」
「鉄斎さんは居ないんですか?コレ」
「いねぇよ」
(酔っ払ってんなぁ)
「えっでもファダール家のセリナさんと一発やったんでしょう?それも暫く口が効かなくなるくらい激しく」
「あれはあの姉ちゃんが誘って来たからな出されたモンは食う主義だおれは」
「ではそんな超肉食系の鉄斎さんに伺いたいのですが」
「んだよ関節かけちゃうぞ…で?」
「初夜ってどうすれば良いですか?」
「…あっ流閣さんまだDTでいらっしゃいましたかへぇー、ほー」
「頼みます。この通り」
「しょうがねぇなぁ先ずな」
こうして居酒屋でエロ話に盛り上がる24の武閣流当主と中身の年齢48の螺掌流の夜はふけていった。




