伝統対最新
魔科学―
―百年前
―魔獣が火を吹き街を焼き払った。
―人類の危機である。
―解明せねばならないさもなくば滅ぼされるのみ。
―その決意を胸にこの現象について調べる者達が現れた。
それが魔学者の始まりである。
そして魔素が発見され、
エルフの国から魔法の知識を盗用し
今日の人間の魔術がある。
その最先端は?
聞かれれば誰もが答える。
バルカザン帝国だと
故に誰も表立って逆らえない絶対強者であり、
帝国のおかげ人類は今日まで滅んでいないのでこれも魔術革新の為だと言い聞かせ、目を背ける。
帝国は必要悪なのだ。
そして逆らえないと思われた人類側の国に、抗う島国がある。
その島国の名は、オオアザ
そして、魔術を組み込み魔獣を躾けるノウハウの延長上に海に住む魔獣達を操り今帝国はその全勢力をオオアザに向けて攻めていた。
表向きは魔獣に襲われている島国を救国する為だと
そして現場指揮官
帝国軍 プール将軍
「うーんなかなか落ちないねぇ今頃だと山間部から来る上級と沿岸部の下級魔獣に挟み討ちって所だけどあの島国まさか上級魔獣の群れすら撃退するとは…これはもう文明がくれたありがた〜い殺戮兵器を使うしかないかな?」
「プール将軍最初は缶ですか?それとも樽ですか?」
「そうだねぇ、一応建前上級は救援だからねまぁ魔獣駆除の為の樽爆弾だね」
樽爆弾
樽に油を注いだ物を着弾と同時に火炎魔術で爆発を起こす。
そうとも知らずに下級魔獣の群れを少しずつ殲滅している沿岸部のガーナが
「アレは……総員退がれアレはヤバイ!!」
結果ガーナの判断は正しかった。
この樽爆弾の被害は帝国の想定の1割以下の被害で済んでしまった。
「ヒュ〜すんごい威力だけど殆どが魔獣だけ殺したけど人は殺せなかったね」
ガーナは青筋をビキビキとたて
「てめぇらこの国に爆弾投げつけやがって!!オオアザと戦争でも始めんのか!」
「えー貴方誰だか知りませんが私達はあくまで支援に来ました。魔獣達から守る為に手を取り合って迎え撃ちましょう。」
「野郎!!……クソッ!退避急げぇ!!奴らの武器は俺たちの範囲の外だぁああ!!」
そして帝国兵達は缶と呼ばれる者を砲台の位置にセットしていた
「魔缶銃オッケー!さあ新兵君!!君にはこの魔缶銃の試射をあげよう!!さぁ後ろの爆発の魔術を発動させる準備をして、そう狙いを定めてファイヤー!!『バァアン!!』うーんすんごい威力だねぇ土煙が凄過ぎて全然わからないや」
そして帝国兵達は上陸し魔獣の死体のみを回収しだした。
「まぁこれで下級の魔獣の奴だけど魔素生成臓器は集まったね。現場を見た奴は殆ど居ない…つか死んでるし引き上げるよ。」
そして帝国兵が作業を終えて船に帰還しようと振り向いた瞬間
ボゴボゴボコボゴボゴボコ!!
地中からオオアザの兵士達が飛び出す。
兵士の1人が
「これでてめぇらは敵国に不審入国だ!オオアザじゃあ死刑だぜ?」
プール将軍が目を見開く
「タコ穴とか古事記かよ」
プール将軍達、一部の幹部を除いてその全ての兵士がオオアザ兵士達(主に武閣流有段者)に殲滅された。
船に帰還した者達は海魔獣を反転させて帰路につく。
「全くやられたよ、最新の空間転移の魔術を使い魔獣達を送り込み、どちらも疲弊させておいしいところを試作品のテストがてら頂こうとと思っていたのに、帰って本国に報告かな」
「…オイ」
振り向けばそこにはオオアザの兵が返り血塗れで立っていた。
帝国の兵士達全員に悪寒が走る
そして全員1つの思いが
いつから?
「とりあえずこの下の生物操れる奴だけ手ェ挙げろそれ以外は殺す!!」
「迂闊だね、他の一般兵は大したことないけど僕らみたいな幹部は最新の魔道具の所持が許されている。」
前へ出た幹部数名が
「憤怒の拳 ガリバン」
「風刃脚 パンサー」
「蛇絡め ラタ」
「特級魔術師 フラン」
「そして、僕がプールだ」
と名乗り終えるか否かくらいに
強烈な衝撃音
「名を名乗るのは俺を倒してからだろ?」
その喋る方向に目を向ければフランが顔をめりこませて倒れた。
ガリバンが右手をひねり込みながら火の魔術を放つ
「くらえ!!ファイヤー・スクリュー・ブロー」
ガリバンの拳がガーナの右脇腹に刺さる。
(魔闘士の拳を帝国の最新技術で補強されたこのパンチ立ってられまい?)
「あぁ?」
「何…故 ?」
「腰が入ってねぇからだよ、来世は型から始めな」
ガーナが打ち下ろしを放つ、
そう言われて憤怒の拳ガリバンの生涯は終わった。
「エア・カッター・キック」
風刃脚の異名を持つ魔闘士パンサーの蹴りがガーナの胸を切り裂く筈だった。
(なっ!硬い)
「こんな技、薄皮一枚切るのがやっとだろう?」
ガーナが前蹴りを放ちパンサーがくの字に折れ曲りその衝撃は臓腑にまで達する。
パンサーはそのまま苦しみながら死んだいった
「好きありだぜ」
ガーナの首に裸絞めをかけるラタ
後頭部を胸で抑え、頚動脈をキッチリと圧迫し脳へ送られるはずの酸素、血液がシャットダウンこの裸絞めを失神までの時間はおよそ7秒である。
「僕の絞め技から逃れられた者は居ないこのまま死ね!」
6秒
「もう裸絞めまで決まってる状態で悪いけど僕の特性も冥土の土産に教えてあげよう」
するとプールの右腕に尋常じゃない程の電気が走る。
「僕は二重稀有魔闘士だ」
だがプールの右ストレートは当たらない。
ガーナはこの海魔獣の上で飛びそして垂直に落下巻き付いていたラタを床に深々と突き刺す。
「フーッ、今のはヤバかったなそして俺はもう暴れる必要はない」
…
「敵の船らしき物の側面に着いた飛べ!!」
2人の男がその船に飛び乗る
「ん?なんだ殆どの兵がいねぇや」
「そうですね、鉄斎さん」
「流閣こいつら全員捕獲だ」
「言われなくても」




