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異世界拳闘道  作者: 泰山仙人
螺掌流 鉄斎編
4/98

堅牢

その後ニーカを里に連れて行きジジイに引き合わせた。


「皇帝からの返答は出国の折に臣民の印を持たせるそうだそれを受け取り大陸へ渡れ」

「はい」


―翌日―


「んじゃ行って来るわ」

「励めよ。」

「いつでも帰ってきなさい」


こうして里を出たが皇帝に謁見する迄に片道4日となる

「ではこれからよろしくお願いしますね」

「あぁよろしく」


「里暮らしで外の世情に疎いせいかをあまり知らないんだわ里のみんなは気功を使ってたから」


「まっセンスってのはいるよなぁセンスだけあっても知れてるんだけどな」

「もう言わないで下さいよ!!」

「あっそういえば私を助けてくれた時のあの技は何ですか?腕を掴むだけで山ザルの腕が捻り曲がるなんてこと有り得ませんからね!もしかして魔闘士ですか?」

「魔闘士?知らんな」


「魔闘士とは外の大陸で60年前の魔術革命により戦闘魔術が確立されて以降魔法使いの台頭により一握りの達人以外の武闘家が戦闘における地位が低くなってましたが、今からおよそ5年前に魔法使いには遠く及ばないものの…魔力の素養があるものが自身の格闘技術と魔術を組み合わせることで攻撃の幅や威力が上がり対魔術士戦では随一と呼び声高い者たちです」


「てかそうなると俺は外の大陸の人間になるじゃねぇかよ」


「あっ」


この女残念なだわーんなことより


鉄斎はニヤリと笑みを浮かべ

「ヘェ〜そいつは戦ってみたいもんだなぁ」


ニーカは畏怖するような眼差しを俺に向けていたがそんなことより新たな戦いを出来ると思うと鉄斎は心踊る思いだった。


こうして4日経ち城門前まで来た鉄斎がここで

「皇帝の前に立ちたくば俺を倒して行きな!!」

門の前で声高に叫ぶ男がいた


「ニーカありゃあなんだ?」

「オオアザ名物番兵『堅牢(けんろう)』ガーナ・クリスです。皇帝には絶対の忠誠と敬意を払うのですが自分より弱い者にはひたすら下に見るのでなにかと困る人なんですよ」

「ヘェ〜てか『堅牢』ってのはなんだい?」

「今まで片手の指で数える程しか倒れたことがないからとのことですよって鉄斎さん!?なぜクリスの所に歩いてるんですかぁ!?」


「よぉアンタ殆ど倒れたことないって?」

「おうよ!なんなら試してみるかい?」

「決まりだ♡」



「おっこれは久々にガーナと闘る奴がいるぞ観客集めろ!!」


―30分後―


「それでは…構えてぇえ…開始(はじめ)えええ!!」


「んじゃこちらから」


掌底

相手の顎に一閃


そのまま止まってもらうぜ

ダアァン!!


だが相手はビクともしない


岩のようだ

「いい攻撃だがあんちゃんそれは迂闊すぎねぇか?」


すると上から右の肘落としが振り下ろされた。


ぶわっ


観客がざわめく

「すり抜けた!?」


気功操作×気功予見×螺掌流 基本歩法 摺足

幽体捌(ゆうたいさば)き』

鉄斎が気功の修行と並行して行われた螺掌流の組み合わせ技である

気の流れ、振動で攻撃の刹那の動きを予見し攻撃当たるミリ単位直前に最小の摺足で回避し気功操作によりスムーズかつ触覚から誤認させる鉄斎オリジナル技である


右側面に回り当身を繰り出す


つってもあの身体を貫くのは骨が折れそうだ

これで崩せそうかな?


体捌きにより足場を整え放つは


螺掌流 気装剛ノ型 「空散掌」


脱力し、速さと回転数を上げた掌底に気功により拳の硬さを補うことで響くラッシュさらに気功の精密操作により当てる箇所すべて最も効果の高い拳の握り方を再現している


ドドドドドドドドドドドドドドドド


「なんだあのラッシュ滅茶滅茶速えぇ!!」

「しかもすべて内蔵の急所に当ててやがる!!」

「しかもとまらねぇ」

「いつまで続くんだよ」


おかしい?

何故倒れねぇ?

螺掌流と気功を組み合わせた技だぞ?


「今おかしいって思ったろ?」

不意に声が上から降ってきたすると右の前足蹴りが飛んで来た

耐えるだけじゃなく反撃も出来るのかよっ

「当たり前だろ番兵ってのは国の護りなんだよ!!」

腕をぶん回してくる

「俺は番兵だぜ?俺の後ろには皇帝がおられる

だからかわさねぇ、避けねえ、受けきるのみ」

「そうかよ。なら意地でも倒してやる」


螺掌流 気闘 柔ノ型 『唸り腕』

この技は受けの技でもあるが崩しの技でも使える

体勢が崩れた相手に次に繋がる技は…

パシっふわっ

螺掌流 気操 柔ノ型 『二畳浮き落とし』

冴えるキレの足払いと気功操作により相手を浮かせ気功操作と腕の振り下ろし垂直に叩き落とす技である


番兵ガーナは思う。

畜生最初からテメェの掌上かよ

スッ

ドゴオオン!!


「ガーナが負けたぁあああ」

歓声鳴り止まないなか

「クソッタレガーナに賭けてたのによぉ」

ニーカが駆け寄り真っ青になりながら聞く

「まさか殺しちゃいませんよね?」

「いやあいつのタフさはこの程度じゃ死なないよ…なっ?」

「いや〜参ったわまさか倒すどころか地面に叩きつけられるとはまた()ろうぜ!!」

「えっやだよお前硬ぇもん」


この様子を遠くから眺める人物がいた

オオアザ国代15代皇帝オオアザ光圀である


「あれがアヤツの倅かなかなかどしてお主とどちらが上かの?尖閣?」


「お戯れを私は引退直前の老兵ですぞ?」


「武闘の開拓者と呼ばれこの世界の一握りの達人が何を言うか」


「さっさと引退して楽隠居がしたいものです」


“武闘の開拓者” 尖閣

紛う事なき達人である

魔法使いが台頭し、魔闘士が幅を利かせる今日でも勝てる者はおらず最強の一角に数えられる男である


「そなたの跡目を継ぐ奴はおらんのか?」


「筋の良い者が何人かおりますが流閣程の才覚は見ませんな」

「流閣かあれ程稀有な者は居らなんだ」


流閣

尖閣の義理の息子であり尖閣を凌ぐ才能と呼ばれたのだったが組手の最中相手の実力を見誤り殺めてしまい現在自ら牢に入っている


「当時あやつの成長速度は異常じゃった瞬く間に兄弟子供を抜きお主に迫る程に…そして我が国の他流派との親善比武にてあの悲劇が起きた」


「私の指導不足ですアレをもっと上手く導いてやれば…」


「まぁ過ぎたことだ。どれガーナを倒した男に会うとしようかの」




ジジイ締め

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