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異世界拳闘道  作者: 泰山仙人
侵略戦争
36/98

帝国の陰謀

サスペンスっぽくなりました

時は5ヶ月前に遡る。


バルカザン帝国の首都バルケン

そしてその王宮の心臓部玉座に座る男。

バージルス・アル・クランシェ6世


「では予てから予定していた他国への()()()()調()()()()()を目的とした魔導塔の使用の賛同するか否かの採決をとらせて良いか」


「異議なし」

「異議なし」

「異議なし」

「異議なし」


「陛下このようになりました、宜しいでしょうか」


「よきにはからえ」


「「「「「「ハッ!」」」」」」



1時間後


「では平時の会議の場にて陛下の許可を賜ったのでこれより空間転移による襲撃と現地調査を行う人選を開始する。」

先程まで会議の場で司会を務めた男

パークマンが口火を切る


「いよいよですな」

伯爵のゲイナーが答える。


「魔導塔の建造計画から30年長かったものです」

魔道具学者のサルマンがしみじみと言う。


「まぁ()()()()()建国記念の塔にしてあるからな予算はそこそこ潤沢であったとはいえかなり国庫を使わせてしまったからな何としても金には変えられぬ繁栄をもたらさねば」

パークマンが決意を新たにする


ここはバルカザン帝国の玉座より離れた一室そこは表向きの会議室ではなく、より細部を決める裏の会議。

通称 「覇者の捨石(フールズ)

そしてこの会議の出席条件は、王家への忠誠、王家ではない者、そして全てが明るみに出た場合に即座に自身が罪を被れる者。爵位などはあまり重視されない。


「では人材はどうするか?」

パークマンが聴く


「では私の方で育成している機関が来週卒業式ですのでそこの首席に潜入させましょう」

とバルカザン軍事特別学校校長 タックスが答える。


「ほうそういえばそんな時期か?ならばそれで良かろう。」


「パークマン殿、どうせなら私の魔導省の方で新しく発見した戦闘魔術もあるのですが」


「してどのような?」


「攻撃力なら魔撃にも引けを取りますまいですが攻撃範囲の広さと発動の魔力量の多さそして発動までに一時間近く掛かるのが難点ですが()()()()()()()()()()()吹き飛ばす事も叶いましょうぞ」


魔導省長官 ヒューズが説明する。


「うむでは魔力量の多い者を送ろう。」

パークマンはこの提案を快諾。


「では彼奴等の動向は?」


危険な隣人(ローディアン)達は魔導塔についてはある程度完成してると思われても良いでしょうな。ですが組み込む魔術式はわからないハズです。」

帝国の治安部の長官ルーナが答える。



「そうだななにせつい4日前に完成したシロモノだからなこれも魔導省のおかげだ」

パークマンが労いつつも


「さて魔獣の捕獲具合と魔獣師の確保は?」



「魔獣は数だけは広く生息してますから問題はありますまい。ですがナエルの国から招いた魔獣師達から技術を習熟には半年は掛かるそうです。」

バルカザン軍事特別学校校長のタックスが答える。


「そこは致し方ないな、なるべく技術の習得を急いでくれ。」

パークマンが了承。


そしていくつかの計画の進行状況を進めながら二時間後


「計画については今日の所はこれで終わりだなでは他には…ルーナ」


「最近諸外国からの密入国者の数が増えてるのと先日からどうも魔術省の関係者が記憶が曖昧になる事件が多発しています。目撃情報の下手人の姿もバラバラですがこの事件の関連性は極めて高い。」

ルーナが部下からの報告と自身の推察を述べる。


「ふむその辺の調査はプロである貴方に一任するがくれぐれも計画が漏れ出ないように」

パークマンは腕を組んで考えた後に


「了解しました。」


「これで閉会する。」


一同席を立ちそれぞれの仕事に戻る。



その後ルーナは自身の職場に戻り1人の部下を呼び出す。


「呼びましたか?」

治安部の特務官のジェラートが顔を出す。


「被害者の数は?」


「例の事件の被害者は現在37人殺しは無いが昨日の夜を最後に被害報告はぱったりとなくなった。」


「調査と犯人の追跡を」


「盗難の被害が無いのに?」


「今回の件は犯人の狙いはおそらく帝国の技術の中枢部よ」



―ジェラート視点―


ジェラートはその後部下のゴズモー、ビッグ、ネックスを集めさせる。


「諸君今回は()()()()は昨日の夜から事件らしい事件を起こしてないおそらく目的に辿り着いたか、情報収集が終わったかのどちらかだ。」


「それとも故郷の女が恋しくなったかも」


「黙れゴズモー」


「にしてもジェル〜迷彩くんの事件はそこまでこだわるべきなのか?」


「終わらせる為にこうやって会議してる無駄口叩くくらいならもっと情報を攫ってこい」


「俺明日には彼女とデートだぜ」


「つつつつつつつつつつつ……諦めろ」

ジェラートは首を振りながら舌を鳴らす。


―3日後―


転送も終わりひと段落ついた頃に事件は起きた。


「魔術式のコピーを盗まれただと!!だがあれは偽造の術式を組み込んだ代物だろう!!」

パークマンは激昂する。


「いや素人目からすれば読解不可だが専門職の奴らにとっては単純な足し算並みに簡単に読み解ける。」

ヒューズが淡々と状況を説明する。


「なんて事だ、君はルーナ長官に連絡を。私は王に報告と王権の調印を頂きに行く。」


「了解した」



ルーナは即座にジェラートを呼び出す。


「了解、」


「これから迷彩くんの優先度をBからSに切り替える。全ての治安部に情報を回せ、そして馬を走らせて全ての関所を止めろ事件が起こってまだ3時間ほどしか経ってないが風の魔術士だったりするなら魔導塔から半径55キロメートル円を囲むように特にガルリム連邦国、ローディアン、ジンバルス方面を最短で塞げ!!「しかし許可は!」もうすぐ王権を賜るから心配するな、それまでの責任は俺がとる!それから川、山、森、工場、村、下水道、裏路地、商店街、色街、農園、馬乗り場、漁業の寄り合い所、港を徹底的に探せ帝国の機密書類を盗んだ奴を逃がすな!」


「2日前に判明した情報から容疑者の名前はマーク・バンシー肌は色黒でナエル系だ、だがナエル訛りはなし体格は175センチ程痩せすぎず太り過ぎず恐らく密入国かナエルからの魔獣士の中に紛れて混んでいた可能性がある」

ジェラートは状況を説明したの後に締めくくる。

「徹底的に探せ!!」




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