Negligence
鉄斎は目の前の相手を見て思う
(デケェな三メートル近い俺自身の身長が170後半だからなぁ攻撃が通るかな?)
原獣人ギムル
はるか昔魔物達が魔撃に頼るよりも前つまり大型のサイズだった頃に生息していた人類の祖先とされる彼は後に魔天変地異により冬眠に入ったところをネール闘技場建設時に地下から発見された。
ギムルはニコニコしながら鉄斎を眺める。
(なるほどお前にとって俺は遊び道具なのね)
「試合開始」
開始早々にギムルは鉄斎に飛び込んで来る。
鉄斎は下に潜り込みギムルをつんのめらせ体勢が崩れた所に
螺掌流 気闘 柔ノ型 「兜落とし」
ギムルは 頭から落ちたもののすぐに起き上がる。
「ちっオーガも一発で死んだんだがなぁ」
ギムルはそのまま鉄斎の顎を掴むと同じ様に兜落としを繰り出そうとした。
だが鉄斎は顎の拘束を解き脱力をし宙を一回転半してそのまま踵落としをギムルの右肩に落とす。
「クッソ肩の筋肉で受け止めやがった!」
そのままギムルは鉄斎の足首を掴みブンブン振り回す。
「おわぁあ、ああ、あ、!」
そのまま壁目掛けて放り投げる。
かろうじて後ろ受け身を取るも被害は甚大。
(クソッタレ野郎に常識はねぇな!)
息を整えて構える
「フーっ」
(ぶっちゃけ野郎を倒すには相当な威力の技じゃなきゃやれねぇ、螺掌流の奥義を使う!!)
ギムルは四つ足のフォルムで鉄斎に飛びかかる。
(ここしかねぇ!!)
受×気功予知
脱×気功操作
歩×気功原理
柔×気功武闘
崩×気功活性
剛×気功武装
螺掌流 気功 奥義 『 閻屠』
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
気功予知と受け技で正確に相手の手を読み、
脱力と気功操作により相手の威力を素通りさせそれを一点に集約、
歩法と気功原理で瞬時にエネルギーを溜め込み、
柔ノ型で相手の位置、体勢を把握し、
崩し技と気功活性により崩しながら自身の状態をさらに引き上げ、
剛ノ型 螺掌底 極を溜め込んだエネルギーを気功武装で覆う。
その技は六技一体
地獄の閻魔の沙汰をも返し屠り去る。
この技の名は、螺掌流 奥義 気功 『閻屠』
はるか闘技場の反対の壁に貼り付けられたままギムルは失神していた。
「勝負有り!!!」
観客の歓声に包まれながらこの日の試合が終わる。




