Cell thunder
闘技者ヒーポはその闘技者人生に幕を降ろし現在養生生活を送っていた。
そんな時に1人の男が訪問していた。
「ヒーポ」
声を掛けた人物にヒーポは
「あっセイニヒさんいいんですか?こんな所で油を売って次の相手相当強いでしょう?」
「たまたま近くを通ったから寄っただけだ。医術者はなんて?」
「最低でも一年間は養生生活だそうですもちろん闘技者の道に戻る事は出来ません。でも僕はあのリベルド・ナルチネスと正面から打ち合った退くことなく最期まで戦い抜きました。悔いはありません。」
セイニヒは表情を和らげ
「そうか…そろそろ行くな」
ヒーポは笑顔を浮かばせて言う
「また今度来て下さいいつでも家に居ますから」
「わかった、じゃあな」
ヒーポの家を去り1人自身の力量を見つめ直すセイニヒ
(俺の雷魔術はヤツに通じるのか?俺の雷速が……)
「何を弱気になっているんだ俺は!!」
(アイツは最期まで戦ったじゃないか決して勝てない戦いでも逃げずにあのリベルドと打ち合っていた)
セイニヒは1人呟く
「認めるしかないよな」
(俺はアイツより心が弱いその心を強くするには変わるしかない)
こうしてセイニヒは新たなる可能性を模索した。
試合当日
闘技者控え室でセイニヒは集中力を高めていた。
(ここまで長かった俺自身この状態で臨むなんて初めてだ。手足の感覚が鋭い新しい術式も試せたそして後は手に入れた新しいカウンター)
「セイニヒ選手お時間です」
鉄斎の闘技者控え室にニーカが現れた。
「鉄斎さんファイトです」
「ニーカかぁ随分久しぶりに会った気がするなぁところで流閣は?」
「流閣さんは現在先代と修行に行ってますね。」
「そうか、じゃあ行ってくるわ」
実況「両者出揃いました。片や世にも珍しい雷魔術の使い手そしてもう片方は格上と称される相手を1分しないうちに仕留める達人。
雷戦士セイニヒ対螺掌流鉄斎の対戦が始まります。」
セイニヒは軽くジャンプしながら思考を尖らせる。
(程良い緊張感だ、全身の毛穴からピリピリと神経が冴え渡っていく感覚がわかる。相手は間合いに入れば間違いなく奪って来る。撹乱だ脚の調子は過去最高に良いいける)
鉄斎はジッとセイニヒの動きを見ながら息を整える
(良い表情だ。それに相手のスピードはネール闘技者ダントツで速いこれを見切るのはしんどいなぁ)
セイニヒは低く構え
鉄斎は右手を突き出して備える
レフェリーがコールする
「試合開始」




