ネールの新星
その日全ての闘技者は予感する自分達の存在を脅かす存在を―。
実況「続いて本日第2試合流閣選手と同郷の鉄斎選手です。先ほどの流閣選手の試合もあっさり終わりましたねハーシーさん」
解説「そうですね。この闘技場の格闘術とはまた違った攻撃の数々でした次の鉄斎選手はどのような格闘術を使うのか非常に期待が持てますね」
実況「対戦相手はこの闘技場のルーキー四戦しか経験はありませんが全て5撃以内に試合を終わらせています魔闘士のヘールです。」
解説「ヘールは拳を土魔術で硬質化させた打撃を得意としています」
実況「それでは間もなく試合が始まります」
レフェリー「位置について試合開始」
実況「ヘール仕掛ける拳を硬化させ一直線の右だぁあ!!」
―鉄斎視点―
ふーん気功を使うまでもない相手だな
一直線にまぁ速攻かい
右のストレートに合わせて
「肘固め」
ボキっ
ヘールはうめき声をあげる
「アッがぁっ!」
顎に蹴りが一閃ヘールの視界が反転しそして暗くなった
レフェリーが駆け寄り手を交差させる
「勝負あり!!」
実況「終わってしまいました」
解説「そうですね鮮やかな手口でした右のストレートを対角線上で捌いて腕をへし折りましたそして激痛で顔を上がった所に狙った顎に蹴りを入れる僅か2手で決着です」
実況「オオアザの国出身の2人この闘技場を沸かせてくれそうです」
その後も試合は続き本日のメインカードとなった
実況「本日は両者拮抗するカードですこの闘技場屈指の人気を誇るハードパンチャー風の魔闘士ヒーポと世にも珍しい雷の魔闘士閃光と呼ばれるカウンター使いのセイニヒです!!」
解説「ヒーポの驚異的な体幹から繰り出されるパンチは強烈ですまた打たれ強く崩すのはしんどい相手でしょう対するセイニヒは雷の魔術を用いたカウンターを売りにしていますそれに彼のスピードも相当速いですからね捕まえるの至難の技でしょう」
鉄斎視点
「ヒーポってやつは随分と小柄だなぁピーカブースタイルかぁ左右に譲る様に迫ってくるな」
流閣は返す
「対してセイニヒは脚取りが軽くスピード重視の構えですね」
一瞬セイニヒの周りに火花が散ったかと思った次の瞬間セイニヒはその場から姿を消した
正確にはほとんどの人が目で追えなかった
これを目で追えたのは4人会場上から見下ろしてたハーシー、気功活性で眼力を底上げした鉄斎、ビップ席で観戦していたリベルド、闘技場の隅で見ていた原獣人ギムル。目の前のヒーポは見失っていたが、左にフックを撃つと
バシィイン
「マジか!!当て勘の良さだけで左フックを当てやがった!!」
「ガードをしてますがあれは上から効かされている!」
脚を止めた刹那ヒーポは肝臓ブローを放つ!!
…セイニヒこれにカウンターを合わせる!!がヒーポは肩を上げてこれをガードカウンターをずらして右にスイッチ鳩尾辺りに右ストレートを叩き込む!!
ソーラーブレキサスブロー!
鳩尾に衝撃を与える事により即座に呼吸困難な状態に陥る即効性のボディブローの1つ
「グッフッ!!」
セイニヒは苦悶の表情を浮かべる。
セイニヒバックステップそれからフリッカージャブを繰り出す
「時間稼ぎのつもりだが、ありゃ愚策だな、ヒーポみてぇなインファイターの前進は止められねぇよその為のピーカブーだ」
鉄斎の言葉通りにヒーポはひるむ事なく直進する。
それでもほんのいく秒かダメージが抜けたおかげかヒーポの目の前からセイニヒが消える
「そうこれがあるんだよ!!コイツには!!」
目標を見失い顔を上げたその瞬間
パァン!!
横から全体重を乗せた右ストレートが顔面を捉えた
筋肉が弛緩していてなおかつ意識の外からの攻撃
ヒーポの意識が消えた ハズだった
鉄斎は目を見開く!!
「嘘だろ!!爪先で踏ん張りやがったしかもそのまま捻って左の肝臓ブロー!!」
ヒーポの左が直撃する
セイニヒが自身の骨にヒビが入る音を聴く
肋を二本持っていかれた!!
鉄斎は溜息混じりに
「あの威力、肋の二本は折れたな」
流閣も応じる
「恐らくヒーポの打撃は響くタイプのモノでしょう、しかもあの下半身から繰り出される拳だ。威力だけならチャンピオン以上かもしれない」
セイニヒ軌道修正を試みるもヒーポがそれを阻む
「脚にきてるありゃ捕まったな」
ヒーポの下、下、上と見せかけて更に下のボディの三連コンボがセイニヒを襲う
セイニヒの顔が上がった所に渾身の右ストレートを叩き込む
決まったハズだった
セイニヒは
待っていたよこの右を合わせる!!
右のクロスカウンターがヒーポに当たる!!
ヒーポの意識が途切れる
流閣が驚愕する
「芸術的なカウンターだ」
そのまま倒れ試合が終わった。




