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異世界拳闘道  作者: 泰山仙人
螺掌流 鉄斎編
10/98

ガルリム連邦国

リベルドは闘技場での絶対王者です。

ガルリム連邦国


ジンバルス王国やバルカザン帝国のあるルーベアナ大陸の西方に位置するランポジスタ大陸に帯状に領土を持つ国である。

カースと呼ばれる合議制の機関が連邦国を支配している

国という体裁を保ちながらも年に数度の国家を決める法律や方針などでの対立から経済的な攻撃や他領の征服や恐喝を駆け引きを防ぐためにネール闘技場が建てられた。

自領の闘技者を選出し、順位の高い者を有する領主が合議制においての発言権や投票権をより多く持つ。

また5年に一度カース評議会議長を選ぶ大会もネール闘技場で行われる。


ネール闘技場では魔物も闘技場にも出る為腕試しとして数々の魔闘士や武闘家がこのネール闘技場に集まる。


そんなガルリム連邦国に()()の入国者が現れた。


「結局付いて来ちゃったな流閣?」


流閣はげっそりとしながら

「えぇ」

と弱弱しく返事をした。


「流閣さんもとうとう彼女持ちですか〜私は未だに男日照りが続くのか〜」

ニーカはどんよりと話すと


コクコク


「ニーカさんやめてくださいホントに」


この娘、レナは流閣に一目惚れしたらしく、俺らが旅立つ日にグワイガンから「コイツも連れてってくれねぇか?」と頼まれて渋々連れて来たのだが流閣に引っ付いてばかりでその癖喋らねぇから流閣がかなりストレス溜まってんだよなぁ


ぶっちゃけこの闘技場に来るまで3ヶ月は掛かったからなぁ


「無駄話はそのくらいにしてニーカ、入国手続きを」

「あっはい」

―二時間後―


「宿も取れたし早速闘技場に行ってみるか?」

流閣は待ってましたと言わんばかりに

「えぇ行きましょう直ぐ行きましょう」

ニーカ達は

「私たちは雑貨品とか買って来るので二手に別れましょう」


「おうわかった」


そうして闘技場に向かうと…


拡声魔法を通じ、勢いよくアナウンスが流れる。


「今日は懐はあったかいかぁ?それとも素寒貧かぁ?素寒貧の奴ぁコレみて元気だせぇええ!!本日のぉぉおお!!…メインイベントぉぉおお!!

ネール闘技場の絶対王者、リベルド・ナルチネス

ぅううう!!この九百戦無敗の王者に挑む挑戦者(チャレンジャー)は、魔闘士カマセだあぁあ!!」


歓声飛び交う中2人は対峙する



「実況は私ムセバンと解説は昨年まで現役で四強と恐れられたこの人」


「どうも、ハーシーです」


「ハーシーさん、この試合どう見られますか?」

「そうですね絶対王者 リベルド・ナルチネスは打撃に特化したファイターです。身長2メートル近い長身を活かした蹴り技から手技、肘技、頭突きなど全ての打撃が歴代闘技者最高の逸材ですからね、挑戦者のカマセは風の魔法を使いますから如何にして打撃戦を回避するかでしょうね」


流閣が俺に聞いて来た

「やはりあの王者強いですね」

「あぁ…ありゃあすぐ終わるな」


2人が予想を述べ合う仲

レフェリーが中央に陣取る


「構えてぇええ!!試合開始(はじめ)ぇぇええ!!」


「王者リベルドハスに構えて左脚を上げる、挑戦者低く構える」


挑戦者はクラウチングスタートみてぇだな

リベルドの脚を上げた構え…蹴り主体なのか?

と鉄斎が思案する頃には展開が動いた。


実況が

「挑戦者踏み込む!両手の風魔法を推力にして一直線に加速するリベルド左脚を天高く上げるぅうさながらギロチンのような構図だぁあ!」


リベルドは踵落としを振り下ろす、


ドアオォン!!


「地面が割れんばかりの轟音です!!ですがカマセに直撃せず!」


カマセの頭に直撃する瞬間カマセは右に身体を捻り回避、風魔法で急ブレーキ掛けながらリベルドの背後を取る


解説は

「カマセは風魔法の特性を上手く活かしましたね、リベルドの背後を獲りました」


実況

「カマセ!!ここで背後から跳び上がり手刀を振り下ろす!!風魔法を纏った一撃だあぁあ!!」



スパァァアン!!

カマセの手刀は当たることは無かった

力なくどっさとした効果音と共にカマセは地に伏した。


駆け寄りレフェリーは、

「勝負あり!!」


歓声鳴り止まぬ中

流閣は冷や汗を流し

鉄斎は冷静に今の流れを分析していた

決まったなあの左脚の回し蹴りか

途中で()()()調()()()()()()()()恐らくチャンピオンにとっては余裕の勝利だろうなぁ


その頃実況は

「決着、決着です!いや〜今回の試合どうでしたか?ハーシーさん?」

とフラれた解説は、

「カマセの一連の動きは決して悪くはありませんでした。特に右の捻り込みでの回避技術は感嘆に値しますね。ですが、リベルドの怖い所は格闘キャリアの長さでもあります直ぐに軌道修正をして飛び込んで来た手刀に対して顎に回し蹴りのカウンターあの手刀は安直でしたね」

実況は合点のいったように

「そうですかでは本日のネール闘技場での試合はコレで終わりですありがとうございました。」



鉄斎は流閣に

「明日以降も試合はやるらしい観ておくか?」

提案して流閣は口角を上げながら

「えぇとても滾りますね」



こうしてガルリム連邦国での初日は過ぎたのだった



















ニーカとレナはその後の買い物でめっちゃ仲良くなりました。

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