5話正体は?
村に着いた。
「ここがコナコ村か?」
「…はい」
「村が…焼かれているじゃねえか」
酷い事しやがるな。
「オーイ!誰かいるか?」
声も聞こえない、聞こえるのはパチパチと燃える火の音だけだ。
「誰もいないか」
「あ、あそこが私の家です」
「お前の家か」
やっぱり燃える、ん?
「足音が聞こえる」
「え?」
後ろを振り向くと村人らしき人がいた。
「大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ!あんたらも無事か?」
「大丈夫だ、ほかに生きている奴はいるか?」
「全員逃げたよ死者はいなよ」
「そりゃよかった、なあサクラ!」
「はい!」
サクラは涙ながら返事をした。よかったな!
「しかし、これも賢者のせいかな?」
「なに?詳しい話を!」
「ああ、国王が賢者を指名手配をしてな?最近の悪行は全部賢者のせいだとか」
あいつ、ついにバカを通り越しやがった。でもどういうことだ?
「国王はなにか悪い噂は?」
「そうですな、国の経済が崩壊しかけているとか?」
…だろうな、バカに経済をやらしたら経済崩壊するわ
あーあ、やっぱり予想した通りになった。
「あの!」
後ろからサクラが話かけてきた。
「どうした?」
「あそこにオーク達が来ているんですが!」
ん?オーク?
村人に逃げろって言おうとした。
「逃げ…あれ?」
既にいなくなっていた。あの野郎!
逃げ足が速い
「サクラ!俺から離れるな!」
「はい!」
オーク共が近づいて来た。相変わらず醜いな
「おい!貴様!よくも仲間を飛ばしやがったな!!」
「やかましい!豚!養豚場に帰れ!!」
「なんだとブコッ!許さんやっちまえ!!」
今俺は機嫌が悪いんだ!
「サクラ!これからお前に俺の正体を教えてやる」
「はい?」
俺は呪文を唱えた。
「フャイヤー」
ドッカーンと燃えあがり、豚共はこんがり肉になった
「ひゃ」
「よく見ろサクラ!あれが賢者の力だ!」
サクラはピタッと硬直した。
「あ、あなたが英雄の一人そして王国で指名手配されている賢者なんですか?」
「うん」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
彼女の声が村中にひびいた。