13話安全運転
賢者一行は次の町に向かっているのであった、てか暇だった。
「あ~、暇だな」
俺は馬車の運転席で寝ていた。
昨日の夜から朝まで寝ずに運転をしているが別に疲れてはいない。
「そんな事言わずにちゃんと運転してください!」
荷物席から髪がぼさっとなったサクラが顔を出す。いつの間に起きた?
「大丈夫大丈夫、ペガは道を知ってるから」
「そうなんですか?心配です」
サクラが不安そうに俺を見た。
「安心しろ、ベガの安全走りを」
「安心出来ません!」
サクラがそんな事言うからペガが拗ねて走るのを止めた。
「サクラのせいでペガが走るの止めたじゃないか」
「えぇぇ!!私のせいですか!」
「サクラお姉ちゃん…」
サクラの後ろに居たエイラちゃんがサクラを見た
「ああもう!!ごめんなさい!ペガさん」
「ブロロ…」
これじゃあ先に進まないから俺がなぐさめた。
「ペガ、大丈夫だ、お前は世界一速い馬であり、世界一の安全な馬である」
「ペガサスじゃなくて馬なんですね」
黙っていろ!
「エイラちゃん」
俺はエイラちゃんにハンドシグナルで伝えた。
サクラを、今すぐに、魔法の部屋に、連れていって
「わかった」
「え?エイラちゃん?なんで私の首根っこを掴むんですか?ちょっとー!」
エイラちゃんがズルズルとサクラを魔法の部屋に入れた。
…エイラちゃんって握力どのくらいだろう?サクラを片手で運んでいたぞ、今
まあいいや
「とりあえずペガ、走ってくれ!そしてサクラに安全な馬だと思い知らせてやれ!」
「ヒヒーン!!」
お!元気になった
ペガは綺麗な翼を羽ばたかせながら進んだ。
あと、注意ね
ペガはペガサスだけど飛べないから、あれ飾りみたいなものだから。
実はペガは馬とペガサスのハイブリッドだから、本人には秘密
さてと進むのはペガに任せて魔法の部屋に入った。
部屋の中はこの前俺が居た部屋と同じにしてある。違うのはベットの数だ。
「よいしょっと」
「お兄ちゃん!」
入ってすぐにエイラちゃんが来た
「どうした?」
エイラちゃんの困った顔が気になり聞いたら。
「サクラお姉ちゃんが…」
「ん?」
エイラちゃんの指を指した所を見たら。
「わ、わたじはいらないごでずが…」
酒を片手に泣いているサクラの姿が…て、おい!
「さ、サクラ?どうした?」
「ガリネざん!わたじはいらないごでずが!」
酒の入ったコップを机にガンッ!と叩きつけて聞いてきた。
はあ、面倒くさい。
賢者はサクラを宥める事にした。