10話宿についた~
サクラと二人っきりで部屋にいた
「カリネさん、どうしたんですか面倒くさそうな顔をして?」
「いや、すぐに村から出ないとな~っと思って」
「どうしてですか?」
「そうだな、俺が賢者だから」
「答えになってないです!」
「いや充分答えだ」
「どういうことですか?」
「おっさんが俺を捕まえるために兵士を呼ぶだろうな」
「そんな!?」
「まあ、俺が賢者だって言ってしまったからな」
「あなたのせいじゃないですか!」
「そうだな、はっはー!」
「じゃあ寝る所はどうするんですか!?」
「その辺魔法で」
「ズルですね」
「ズルじゃあないもん才能だよ」
「はあ、いつ出ます?」
「時が来たら、それまで寝る」
「はいはいわかりました」
しばらく寝て夕食に
コンコンッ
「カリネお兄ちゃん、サクラお姉ちゃん!夕食ができたよ!」
「わーい、ゆうしょくだー」
「だらけた感じで言わないでください」
人の自由じゃないか
夕食を食べに行こうと部屋をでて、リビングにお邪魔した。
「お兄ちゃん!私が作ったんだよ!」
「はあー、すごくうまそうだ!」
「エイラちゃん、料理ができるんですか?」
「うん!」
「さて、味は・・・うまい!」
「おいしいですよ!!エイラちゃ…ん」
「え?…お姉ちゃん!!」
ガタン‼
サクラが倒れた。
俺は倒れる振りをした。クスリは効かない。
「よくやった!エイラ!これで大金持ちになれるぞ!」
「おとうさん?」
「よかった~、お前を拾って」
「え?」
「お前を奴隷に売ろうと思ったことは何回もあったが売らないで正解だったな!」
「おとうさん!なにいっているの?」
「実はな、エイラ、お前は俺の子どもでない」
「なにいって」
「お前は俺が殺した友人子供だ」
エイラはショックを受けて座りこんでしまった。
典型的なゲスおっさんだった。
「お前をわざわざ生かしてやったのはもしものために奴隷商人に売るためだったんだよ!」
「嘘だ!嘘だよね!?嘘だといってよ!」
「黙れ!!」
パンッ!
「きゃあ!」
「やっぱお前は奴隷商人に売るか」
「ううぅ、カリネお兄ちゃん!サクラお姉ちゃん!」
サクラと俺をエイラが起こそうとする。
「無駄だ!そいつらは睡眠薬で眠っているんだぞ」
「カリネお兄ちゃん!!助けて!!」
「はいよ」
俺は立ち上がった。エイラちゃんを泣かせるとは
「カリネお兄ちゃん!!」
「ば、バカな!?どうして起きれた!!」
「ばーか、俺には薬は効かないんだよ」
「くっ!ならば!!」
おっさんはナイフを取り出してエイラちゃんを人質にとった。
人質か、どこまで人は堕ちるかな。