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「うはー相変わらずすげー賑わいっぷりだなー」


 当日。僕達と志乃達、いつもの男女メンバーでTRPを訪れた。

 達雄の言う通り、TRPはいつも通りの盛況ぶりだった。

 なりふり構わず今流行っているものは全て吸収しアトラクションとして昇華させるスタイルが受け、年々入場者数は増加の一途を辿っており、最近は平日休日問わず常に人でごった返している。

 

「いよーし! 今日は全力で楽しむわよー!」


 拳を天にかざし気合い満々の志乃にならって女性陣も皆拳を突き上げる。


「すごい気合いだね、志乃ちゃん」

 

 保之が言うと、志乃は拳を掲げたまま保之を見やった。


「何言ってんの。やっすんこそ、そんな落ち着いてちゃだめでしょ! ほら手突き上げて! ほら、ほら!」


 そう言われ、苦笑いしつつも保之は拳をゆっくりと上にあげた。

 そんな周りから微笑ましく見えるシーンを、僕は緊張の面持ちで見つめていた。今の僕はきっといつもと様子は違うだろう。それが周りにバレた所でさほど支障はないだろうが空気をおかしくしてしまうと、これからの事に僕自身も調子が狂ってしまうかもしれない。

 とん、とふいに背中を軽く叩かれた。横を見ると寛人が立っていた。


「楽しめよ。せっかくの一日だ」

「うん」


 ――そうだ。楽しもう。今はまだ。


 僕は皆と同じように拳を空へとぐんと突き上げた。


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