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 達雄、保之、そして寛人。彼らとは中学に入ってからの出会いになる。気付けば意気投合し、休み時間になれば自然と集まり、なんて事のない話で笑い合った。皆、いい友達だ。 

 その中で特に寛人とは気が合った。気が合った部分ももちろん、自分に足りていない隙間を当たり前のように埋めたり、時にはそれに必要な力を僕が出せるように背中を押したりと、自然に寛人に助けられている場面が多かった。寛人はそんな、いつ何時でも頼れる親友だった。

 今回の事に関しても決断を下し計画を組み立てたのは寛人だった。僕一人では到底出来なかった事だ。寛人には、ホントに支えられてばかりだ。

 でも気持ちは寛人と一緒だ。いや、気持ちだけなら寛人よりも強いものがあった。

 

 僕は幸奈を救いたかった。

 

 小学校の面々はそのまま同じ中学に歩む為、同じ小学校だった僕も幸奈もそのまま同じ中学に進んだ。最初の頃は仲良くしていたが、クラスが別になり、また思春期という微妙な年頃もあってか自然と距離は離れていった。

 あっという間に一年が過ぎた。二年になり、寛人達と同じクラスになり、そこで初めて志乃達とも出会った。

 寛人、志乃、幸奈は一年の時に同じクラスだったらしく、幸奈と小学校が同じだった事で自然とその仲に僕が加わる場面が増えた。しばらくしてそこに今のメンバーも加わっていった。

 だが、ある時を境に幸奈がグループの中に顔を出す機会が減り、遂には学校を休むようになった。何があったのかと尋ねてもその答えを誰からも得る事は出来なかった。

 

 心配になった僕は幸奈の携帯に連絡してみた。しかし一日経っても返信はなかった。

 明らかにおかしいと思った僕は寛人に相談した。試しに寛人からも連絡を入れてもらったが結果は同じだった。

 志乃達からも呼びかけてもらった方がいいんじゃないか、僕は寛人にそう言ったが寛人は何故か「それはやめた方がいい気がする」と僕を止めた。寛人の言っている意味がよく分からなかったが、寛人の言う事に従って今まで間違ったり裏切られたりする事は一度もなかったので僕は寛人の言う通りにした。


「家に行ってみよう」


 寛人の言う通り、僕達は幸奈の家を訪れる事にした。


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