あかきキジンの章5
過去編!よろ
「キッピーも、それなら動きが悪くなるはずだろうが?体が重くなるはずだろ。なんでそんなに動けるんだ?しかも、少なくとも2度は過去に行ってるよな。俺の時代と今の時代。なら、余計に力がなくなっているんじゃないんか?」
ほんとにキッピーの動きは遜色ない。キッピーの言うことがもし本当なら、俺の時代に来た時も動きがおかしくなっていたはず。なのにそのときも俺と対等・・・もしくはそれ以上の動きを見せていた。なぜ?
「その秘密はこれさ。この腕はもう俺の体じゃない」
キッピーの話によると、キッピーの両腕は機械になって、右足もそうだという。未来で失ったらしい。それしか考えられないが。だから、力を失ってもそこで補給できるそうだ。かなり、この機械はやばいらしい。というのも思った通りに宇宙人の技術をパクったのだ。これだけ聞いてると、もはや宇宙人よりも未来人の応用力に感服してきた。地球丸ごと支配されながらもまったく屈してないようだ。むしろイカれてる。むしろすさまじい。むしろ、未来に希望すら湧いてきたし、そんな奴と一緒に戦えることに誇りすら湧いてくる。もしかしたら、このキッピーだけがおかしいのかもしれない。そもそも、なんで一人で来た?いくらタイムマシーンで敵の力を奪えるとはいえ、一人では分が悪すぎる。奴らはどのくらいいるんだ?支配しちまうほどだろ、地球を。そんな奴らを相手に、手足を失ってまで戦う。ヒーローには一切見えないが。ほんとに何者?
「それはわかったけど、俺の場合はどうすればいいんだ?全くではないけど、戦える自信がない」
「ああ。ここからは俺一人でやるからいいよ。もともとお前はおまけみたいなもんだしな」
その一言に俺はカチンときた。むきになっているのが自分でもわかるが、今はどうでもいい。
「ふ・・・ふざけんなよ。俺もやつらをほっておけないし、許せない!!何があっても俺も戦うぞ」
怒りにまかせ、啖呵を切ったがまったく自信なし。それども、俺は絶対に戦う。俺の友達が殺されてるんだ。きっとキッピーも戦う理由はそうなのだろう。ただイカれてるだけでなく、大切な何かを取り戻すために戦っているのだろう。多分。
「しかし、本当にここはいつの時代のいつなんだ?」
キッピーがそういいながら辺りを見渡している。たしかにここはどこなんだ?て・・・
「えーーー。今なんて言ったんだよキッピー!!??マジにここがどこかわかんないのかよ!!??」
キッピーはなにやら恥ずかしそうにしながら答えた。
「ま、帰れるから。・・・ちなみにだけど、どうでもいいことだけど、あかきの時代もいつか分からんけどね。は・・・は・・・はーーーーーーー」
・・・なんなんだこいつは?
適当に、あの宇宙人が逃げて行ったようなほうに行ってみると、そこには村があった。後で知ったことだが、キッピーがあの宇宙人のにおいを追ってこの村に来たのだ。キッピーが「ここで情報を手に入れよう」と言った。適当に村の人を捕まえて話を聞くと、この時代は戦国時代だということがわかった。俺たちの格好は、ここの人たち、この時代の人たちと比べるとかなり異質なので警戒されていたが、その村人はウソを言ってはいなそうだ。そして、あの人型のことを聞くと、この村にはあんな異様な人型をした生き物は来ていないらしい。異様な奴は俺たち以外は来ていないらしい。はずれかよ。だが、ここの村には一つだけ気になる、妙な伝説があった。
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