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キジンとデス・イーターの章10

カウントダウン、実施中

この危機的状況でチュカカブラたちが、思いもよらずに初めて徒党を組んだ。死の危機を感じていたのは、キッピーやあかきではなく(2人ももちろん、死の危機を感じている)、チュカカブラたちのほうだったらしい。全員が顔を見合わせ、うなずく。破れかぶれだ。一斉に2人の人間に跳びかかった。残り、15匹。

1匹目は勢い良すぎて周りの奴らよりも早くあかきのところにたどり着き、地面にも、あかきにもたどり着く前に、空中で首を跳ね飛ばされて死んだ。2匹目も同様に、1匹目の体と首が地面に到着する前に、股間から刃を入れられ、そのまま縦に真っ二つに斬られて死んだ。そう斬ると、血や内臓物が飛び散り、気分が悪くなるので、やはり首を落そうとあかきは心に決めた。そんなころ、3匹目もちょうどその命を終わらせていたころだった。

キッピーが3匹目の堅い舌と首を掴み、地面に叩き付けていた。それだけじゃ当然死なない。その丸出しになった背中から心臓と思われる場所に思いっきり腕を突き立て、心臓と思われる(見えないのでわからないが)ものを掴み、思いっきり握りつぶした。内臓系ならどれでもよかったが、潰したのは確かに心臓だった。背中は割と固くはなかったが、きついね。3匹目は心臓を潰され、小刻みに震えながら、絶命した。残り、12匹。

まだまだ残っているが、4匹目もすでに息絶えている。3匹目の心臓を潰した後すぐ、地面のほうを向いていたキッピーだが真後ろに4匹目が迫っていることに気が付き(あかきに言われたので)、思い切って回し蹴りをしてみたらそれが喉に当たり、潰した。まったくの偶然、ラッキーだ。それでも4匹目は顎から舌、頭がい骨もろとも砕かれ、動けないでいる。というか、死んだ。

「今ので4匹か。あと何匹いるんだ?」

「めんどくさいな、でも」

「でも?なんだよ、あかき?」

「なんでもない」

あかきは思った。チュカカブラを無造作に殺しているが、いいのか?と。人型宇宙人を殺した時のことも、あかきは心の底で何かが引っかかっていた。大義名分は自分たちにある。未来でも今でも、デスたちが攻撃してきたから戦う。そんなことは分かってる。でも、本当に殺さなくてはならないのか?殺しに来るから殺す。それはデスたちと同じじゃないのか?これは、ただの偽善か?悩んだふりして、でも、殺している。俺には、キジンたちの力があるから戦える。力があるものは戦わなくちゃならないのか?キッピーはそうだろう。戦えるから戦っているし、キッピーたちは実際にデスたちに攻撃されているから(俺もだが)デスたちが憎くて戦っている。それでも、奴らにだって考えや、生き方がある。ただ何となくで攻撃しているわけじゃないだろ。確かに戦う理由はある。でも、それが殺す理由というのはおかしな話だ。

「殺されるから、殺す」

「何?」

「それでいいのかな?」

キッピーはどう思っているだろうか?当たり前だ。って、ただそう言うだろうか?いいや違う。って、言ってくれるのだろうか?でも、お前も殺しているだろうが。って、叱咤されるかもな。

キッピーは思っている。いつも考える。あかきの言ったこと。戦うから、結果的に殺めてしまっている。それが正しきか。分からなくなっている。未来(あかきの言い方がうつっちまった)では、デスは完全に悪だ。ここでもそうだ。悪には違いない。でも、俺は、生きてる人々とふれあい、人というものがどんなのか思い出してきていた。昔、人間は狩猟種族だか何だかと聞いたことがあるが(今でもそうっちゃそうだが)、それは生きるため。ほかの命を食さなければ生きていけないため。今、戦っているのも生きるためだが何かが違う。アッシュだって、デスだが仲間だ。全部が全部、悪というわけではない。

「でも」

「ん?」

「今は、戦うしかない」

誰にも答えは分からない。しかし、今は戦うほかない。すでに更にもう2匹のチュカカブラを殺していてこんなこと言っているのもなんだが。残り、9匹。

チュカカブラたちは、行っても、いや、行けば行くほど返り討ちにされるので、委縮して隠れてしまった。しかし、あかきは、それを許さない。さっきまで殺していいのか悩んでいたとは思えないほど好戦的だ。ここはもう戦うしかない。後には引けない。奇神の力でチュカカブラの死体を燃やし始めた。明かりを付けるためだ。うっすらとだが、見える範囲が広がっていく。チュカカブラがガサガサ動いているのも見え始めると、そこに左手を伸ばし、いきなり炎を飛ばした。

これには、キッピーも驚いた。ええ!!??何?今のは何?しかも、鬼神化を解いていない。なんなんだ?炎の先を見ると、そこからチュカカブラが1匹ぼとっと落っこちてきた。チュカカブラもビビっているようにも見える。気のせいかな?そのチュカカブラはもう後がないようで慌てて突っ込んできたが、2人のところに着いたころにはその首と胴体は離れ、勢いそのままで10メートル先に転がった。

「早く来ないと、全員燃やしちまうぞ」


読んでくれてありがとう。次もよろしく!!

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