キジンとデス・イーターの章3
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そして3人は光に包まれて、消えた。突然3人の人間が消えたので、若干渋谷で混乱が起こったが、すぐにいつもの日常の渋谷に戻った。構っていられないのだ。ただ、忘れないでほしい。この3人は間違いなくこの渋谷を守った英雄だということを。誰にも気が付かれていなくとも、間違いなく世界を救える3人だということを。
そんな3人が現れたのは当然1980年代のアメリカ合衆国。の、どこかのトウモロコシ畑。の、真ん中。3人とももちろんいるが、3人よりも背の高いトウモロコシに阻まれて全く見えない。しかも、こんな時に、見えないが青ざめたしんごが力なく言った。
「・・・2人ともごめん。俺が宇宙船から逃げた直後に、本当に直後に来てしまいました」
「????」困惑する2人。あかきが「どういうこと?」と首をかしげるも、キッピーにはもう理解できていたようだ。怒りに震えるも、互いの位置も分からないのでどうしようもない。あわあわ言っているしんごに喝を入れるようにキッピーが叫んだ。
「もういいから、さっさと始めるぞ!!!」
どこからかあかきの声で「でも、手順も何も決めてないよね」あかきにもどういう状況かが理解できたようだ。
キッピーがいらいらしながら叫ぶ。「手順なんてもうどうでもいいから、とにかくはじめっぞ。時間がねー!!!」
急いで3人が走る。3人がトウモロコシを一生懸命折っていく。そもそも、誰かが上から見てないと出来るわけがないのだが。ところが、ここで3人に思いもよらないほどの団結力とインスピレーションと、勘が働いた。いろいろな場所から叫び声が聞こえる。そして、5分もしないほどで、まさかの完成を迎えたのだ。それには、3人とも息をのんだ。『俺の名はしんご』の真ん中の文字の中に3人集まり、顔を見合わせる。もっとも、だれも上から確認したわけじゃないので本当に完成したかどうかは確かめようがない。でも、3人とも妙な自信があったし、実際完成していた。
「でき・・・ちまったな」これにはさすがのキッピーも驚いている。息も上がっていない。
「ああ、できた・・・ねえ」あかきも思わず笑い転げそうになるのを必死に抑えている。少しだけ息切れしているも、汗は掻いていない。
「やれ・・・ちまったな俺たち」しんごも、数分前まで泣き出しそうだったのがウソのように、自信に満ち溢れた顔つきをしている。ただ、びっくりするほど汗かいて息切れもしている。
あとは、デスどもがこのメッセージミステリーサークルに気が付き、ここに着くのを待つだけだ。
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