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デス・イーターの章2

新主人公(新じゃないけど)もがんばってます

目を覚ますと、生きていることが分かった。どうやら光は、俺のところまでは来なかったらしい。不幸中の幸い・・・・なんて思えなかった。生きていてもどうする?この時はただそう思えた。でも、死ぬことも忘れるほどの、絶望感にも襲われていた。気が狂ったように頭をかきむしり、血がにじみ出たが痛みもまるで感じない。口が裂けるほど開き、何かを叫んでも、怖くて音は一つも出てこなかった。

何時間、俺は目をつむり、心を、存在を殺し、その場に横たわっていたのだろう。太陽が、いつものように昇ってきた。俺は太陽を見て、怯え、泣いた。怖くて泣いていた。奴らに、姿が見えてしまうだろ。そう思うと、もう横たわっていることもできなくなっていた。太陽を恨んでもどうすることもできず、結局俺はその場に立っていた。すると見えないほど遠くの空から、無数の飛行機が飛んできた。ミサイルも山ほど。それは人類の攻撃だった。俺は、今度は涙が出るほどに興奮していた。やったーーーーーー!!!言葉としては出なかったけど、うれしくて喜んでいた。なめんな人類を!!言葉としては、決して出てこなかった。

「そう、なめんなよ」

俺は・・・まだ死んでない。あのときの、人類の攻撃は見事に失敗し、俺は今度こそ死に物狂いで逃げていた。奴らは必要に生き残りを見つけようとはしなかった。もう、あれでどうでもよくなったんだろう。気が付けば、地球上にいる生き物の8割が人間や動物ではなく奴らとなっていた。誰もそんなこと調べていないから8割かどうかは知らないが、とにかく埋め尽くされていた。ようは、侵略されたのだ。人間、および生き物は陰に隠れて、それでも微弱ながら生き延びていた。奴らは地球の表面しか見てないらしく、地下のことにはまるで無関心だった。どうでもいいのだろう。気がつくと奴らはまるで初めからここにいたのは自分たちですよ。という感じで地球で生活し始める。

あのまま逃げた俺は、地下鉄の中に姿を隠していた。単に地上に逃げ場がなかっただけだけど。そこには、俺以外にも何人か人間がいた。電車は動くようだが、誰もそれには乗ろうとせず、自分たちの足で歩いて移動した。音を立てるのは暗黙のタブーだったのだ。そこで1か月ほど生活を送る。その間の食料の調達、それが一番困難だった。むなしかったことは、その食料を巡って残り少ない人類がまた殺し合いをして減る。ごくごく、自然の流れが、とてつもなくむなしかった。

俺は、気が付くと死んだ宇宙人の死骸の前まで来ていた。そこは宇宙船の外だったが、炎で熱さは尋常じゃなかった。俺はそれでも、手も足も失ったがそれでも、その死骸の前にいた。あのときのように、転機が訪れたようだった。俺には、その死骸がとてつもなく神々しく見えた。間違いなかった。光明だった。俺は、絶望と光明の紙一重の中で、笑っていた。

地獄のような地下生活から1か月。突然、事件が起こった。地震のような揺れが起こり、それが地上で何かが起こった音だと気が付くまでにかなりの時間がかかった。思い切って、俺たちは地上に出てみた。俺たちと言ったが、俺にはその時、仲間がいた。俺は人より体力もあったから意外と頼りにされていた。でも、当然何かをするとき率先しなきゃならないのは俺だった。まあ仕方がない。だが、地下鉄の地上に出る階段を歩くときは、この階段が、地上じゃなければ天国に続く階段であることを本気で願った。

しかし、一歩一歩命を削りながら上る階段は、いつまで経っても願いは通じず、天国にも地獄にもならず、昇っても昇っても現実のままだった。地上では、煙が上がっていた。

どうやら事故らしい。顔を半分だけ地上に出すと、すぐそばに宇宙船が墜落しているのが見えた。周りに奴らはいない。ほかの生き物の気配もない。耳鳴りもない。俺は仲間に来るなとだけ伝え、単独でその墜落した宇宙船に乗り込んでみた。煙も出ていたし、何より、いつほかの奴らがここに来るかもわからなかったが、意を決して俺は調べることにした。いつまでも、地下にいる俺らじゃねーぞ!!!という気持ちだけで動いていた。もしかしたら、奴らの正体を知りたいというただの好奇心だけで動いていたのかもしれないが。多分、きっとその両方だったんだろうと今は思う。

俺の前に転がる宇宙人の死骸。あの時は気持ち悪く、憎悪の気持ちで見ていた。そして、気が付いたら一心不乱に殴りかかっていた。死んでいて恐怖もなかったからか、本当にキレちまったからだったのかはもう覚えていないが、ぐちゃぐちゃに血が飛び散るほどに殴りつけていた。

俺は、その壊れた宇宙船の中で奴らの武器を見つけ、奪い取った。正確には、武器っぽいものを適当に取って逃げただけだが。ろくな武器はなかった(というのもほとんどなんなのかが分からない)。が、そこで宇宙船に乗り込める装置を発見したのだ。食料ぽい物は残念だが見つけられなかったが、それは大きな収穫だった。俺は、後ろも顧みず、そそくさと仲間たちのところに戻った。そこで今あったことを説明し、ある決意をみんなに話した。

「ここから、反撃開始だ」


おもしろいと少しでも思ってもらえるように・・・

読んでくれたらありがとう。次もよろしく!

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