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lim幼馴染  作者: HARUうらら
本編
6/8

最終話「道」

最終話いきましょ~~!!!


~~SIDE 雅哉~~



番組が放送されてからはさらに忙しくなった。



というか女性客が増えた。



ちなみにアウトロー共も来たけど適当に蹴散らして、



雅哉『一昨日来て下さい!キリッ!』



と言ってやった。



取材では「20歳、恋人募集中です。ニコッ。」とかやらされたし・・・。



脇田さんは、



脇田「適当にあしらえ。いい子がいたら食ってもいいぞ(笑)」



なんて言ってたけど冗談じゃない。



そんな気が狂いそうな生活をもう1ヶ月以上している。



ここのところはストレスが溜まって疲れやすい・・・。



脇田さん・・・休みを・・・・休みをくだされぇぇぇ・・・・。



自然と足がスタッフ専用の廊下へと動く。



10分だけ・・・10分だけ・・・と思いながら休憩ルームに向かっていると1人の女性がいることに気付く。



まさかここまで!?と思ったが良く見たら指輪をしていたので既婚者であることがわかった。



悔しいな、寝取ってやろうかと思いながら恐らく迷子であろう女性客に声を近寄る。



そして飛び切りの営業スマイル(\0)で声をかける。



雅哉「どうなされました?お客様。ここはスタッフ専用なのですが。」



その問いに反応して返してくる。



女性客「すみません。夫とはぐれて探している間に迷ってしまって・・・。」



女性客が振り返りながらそう言った。



そして2人の動きが止まった。



そこにいたのは絶対に忘れることなどできない俺が唯一好きだった人―――。



横須賀遥本人だった。



あまりの驚きに声が出ない。



だが俺は力を振り絞って声を掛けた。






~~SIDE 遥~~



その会いたくて会いたくて堪らなかった大男は今、私の目の前にいる。



そんなありえないことが現実に起こり彼も私も声が出なかった。



その時、彼はやさしく笑い、声を掛けてきた。



雅哉「お久しぶりです。」



聞いただけで不意に泣けてきてしまった。



ついには我慢できずに泣き崩れ始めてしまった。



雅哉「な!?大丈夫ですか?」



好きだった彼の前で。












母が必死で隠していたものはただの取材番組だった。



何か熊本だか大分だか九州の老舗うどん屋の取材だった。



私には何で隠していたのかわからなかったがどうでもよかった。



時間が無かったからだ。



だが結局私は何のヒントも得ることはできなかった。



母との約束の1ヶ月も過ぎた。



私は以前からされていた健太からのプロポーズを受けた。



20歳同士で結婚は早いけれど母を安心させたかった。



母は癌患者でもう長くないのだ。



だから私は健太と結婚した。



結婚式には小、中、高、大、の友達がたくさん来てくれた。



ただあいつだけはやっぱり来なかった。



だけど見られなかったほうがいいのかもしれないと思った。



そんな中意外な人物が1人いた。



鈴木先生だ。



鈴木先生とはあの日以来連絡や接触をしていなかったが来てくれたのだ。



先生は私に近づいてきてこう聞いてきた。



鈴木『結婚おめでとう。ところで新婚旅行先は決まっているか?』



予想外な言葉に少し驚いたが正直に答えた。



遥『いいえ、まだです。どうしてですか?』



鈴木『ならよかった。これ、貰ってくれないか?』



先生が出してきたのは最近有名な旅館のペアチケットだった。



遥『もらえません、こんないいもの。』



鈴木『いいんだ。実は嫁が体調崩してね。いけなくなってしまったんだ。』



鈴木『捨てるのも勿体無いし、貰ってくれ。』



私はそれならと鈴木先生からペアのチケットを貰った。



その瞬間先生が呟いた。



鈴木『・・・ごめん。』



遥『・・え?』



その時鈴木先生の目には涙が光っていた。



聞き返そうとしたが先生は走ってその場から離れていってしまった。











そういうわけがあって私は今ここにいる。



今思うと先生はせめてもの償いをしてくれたのかもしれない。



だけど・・・・・今更すぎるよ・・・。



私は・・・・・もう・・・・・。



雅哉「今まで・・・お元気でしたか・・?」



彼はないている私に向かって話しかけた。



何で・・・そんなに軽々しいのよ・・・。



遥「バカ!そんなこと言葉一つで言える訳ないじゃない!」



涙は止まらなかった。



遥「どれだけ探したと思ってるの!?どうしていなくなったのよ!」



言葉も止まらなかった。



遥「私がどんな思いをしたと思ってるの・・・?」



遥「何で・・・・今更なのよ・・・。」



もう・・・遅いのよ・・・。



雅哉「僕には・・・あなたに会わせる顔が・・ありませんでしたので・・。」



遥「何でそう思うの!?何で勝手に自分で決め付けたのよ!」



雅哉「申し訳・・・・ありません・・。」



遥「何であなたが謝るの・・・。雅哉は何も悪くないじゃない・・・。」



遥「雅哉こそ・・・・今まで元気だったの?」



雅哉「はい、元気だけが取り柄なので。」



何でそんなに笑顔でいられるのよ・・・。



いや・・・、雅哉は強くなったんだ。



だから私も・・・泣き止まなきゃ・・・。



雅哉「ふふ、別に無理しなくても泣けばいいじゃねぇか。」



その言葉に私は耳を疑う。



雅哉「俺の前で遠慮すんなよ。」



遥「そんな・・・・卑怯だよ・・・・。」



そんなこと言われたら・・・・。



雅哉「何だったら誰もが欲しがる雅哉さんの胸を貸してやっても・・・・。」



雅哉「・・・・・おいおい。」



私は雅哉が冗談と言う前に飛びつく。



遥「言われなくても借りてやるんだから。」



雅哉「ったく、見られたら大変だよ・・・。」



遥「・・・・うるさいわね・・。」



雅哉「・・・・・・辛かったか?」



遥「・・・・うん。」



雅哉「・・・・寂しかったか?」



遥「・・・・うん。」



雅哉「そうか・・・今までごめんな。」



遥「うぅ・・・バカァ・・。」



そしてまた私は泣き出してしまった。











遥「ごめんね、本当」



彼の服は私の涙でびしょびしょだった。



雅哉「気にするな。」



・・・本当に成長したね・・・・雅哉・・・。



遥「3年前・・・あれから何があったの?」



私は1番の疑問をぶつけた。



それから彼はこれまでの成り行きを説明してくれた。



遥「大変・・・だったんだ・・。」



雅哉「ああ、けど楽しかったよ。」



そう言い彼はまた笑った。



雅哉「・・・相手は健太か?」



そして一気に核心を突いてきた。



遥「・・うん。」



雅哉「おめでとう、あいつとならうまくやれるさ。」



遥「・・・そうね。」



でも私は本当は・・・・。



雅哉「そういえば健太は来てないのか?」



遥「いや、来てるんだけど・・・はぐれて・・・。」



雅哉「そんなこと言ってたな。じゃあ俺も探すよ。」



と、その時



アナウンス「神奈川からお越しの菅野遥様。ロビーにお客様が来ています。」



雅哉「・・・・・健太だな。」



遥「・・・・ええ。」



雅哉「なぁ。」



遥「何?」



雅哉「俺・・・1人で行かしてもらえないか?」



遥「・・え?」



雅哉「話がしたいんだ。」



遥「・・・わかった。」



雅哉「ありがとう。」



そういうと彼はロビーに向かっていった。



・・・・一応ついていかなきゃ・・・。






~~SIDE 健太~~



健太「全く・・・遥の奴。」



新婚旅行に来たはいいけど迷子かよ・・・しかも旅館で・・・。」



今はアナウンスをしてもらってロビーで待っている。



その時であった。



店員「お客様。」



後ろから呼ばれ振り返る。



と、そこには見慣れた、だけど二度と見れないと思っていた奴がいた。



健太「雅哉・・・・・か?」



雅哉「・・・ああ。」



信じられなかった。



だが本人とわかると次には恐怖感と罪悪感が出てきた。



俺は彼に許されがたいことをした。



彼はそんな俺を許すはずがない。



その焦りから俺はとんでもないことを言った。



健太「今更出てきて俺を殴りに来たのか?」



彼は黙っている。



健太「そうなんだろう?なら早く殴るがいいさ!」



声は思ったより大きかったようで周りの人たちがこちらを見ている。



健太「どうした?早く殴れ。」



その時彼が口を開いた。



雅哉「殴るも何も・・・。」



健太「何だ?」



雅哉「俺は健太をとっくに許しているよ。」



な・・・。



う・・・うそだろ。



健太「な、何言ってんだよ。」



雅哉「だから俺は殴る気も理由もない。」



な、何なんだお前は・・。



俺はあんなことまでしたのに・・・・それなのにお前は・・・。



不意に涙が流れた。



健太「お前は・・・こんな俺を・・・・許してくれるのか・・・?」



雅哉「許すも何も・・・俺のほうも悪かった。」



悪いのは全部俺だろうが・・・。



健太「お前・・・・やっぱりバカだぜ・・・。」



雅哉「ふ、よく言われるよ。」



雅哉・・・ごめん。



健太「バカ・・・野郎。」



雅哉「何泣いてんだよ。そんな奴に遥は任せられないなぁ。」



健太「お前・・・それを知ってたのか・・。」



雅哉「まぁな。いい女だ、お前がしっかり幸せにしてやれよ。」



健太「ありがとう。」



本当に・・・・ありがとう。






~~SIDE 雅哉~~<The Last Meeting.>



雅哉「ありがとうございます。またお越しくださいませ。」



おかえりのお客様にそう言う。



雅哉「・・・と言いたい所だが、もう二度と来るなよ。」



健太「来客拒否か・・・これは雑誌に載せてもらわないとな。」



雅哉「それだけは勘弁。」



少し不思議そうな顔をしている2人に答えてやる。



雅哉「だって幸せそうな所見せられたら困るもん、泣けるもん。」



そして笑ってやる。



けど2人はわかっているだろう、長い付き合いだ。



これが本当に最後だってことくらい。



健太「ふ、お前らしいな。」



雅哉「はは、遥を泣かせたら殺しにいくぞ。」



健太「おぉ、怖い怖い。」



そして遥のほうを見る。



雅哉「健太。」



健太「何だ?」



雅哉「少しだけ・・・遥と2人で話をさせてくれるか?」



健太「ふふ、仕方がないな。俺は先に車に行ってるよ。」



そう言い健太は行った。



じゃぁな・・・親友。



遥「雅哉・・・。」



今にも遥は泣き出しそうだ。



雅哉「お前もあんま健太に迷惑掛けるなよ?」



遥「・・・うん。」



こいつ・・・泣くの我慢してるな。



雅哉「遥・・泣いていいのは最後なんだ。泣いてもいいんだぞ?」



遥「これからは・・・泣いちゃいけないんだからもう泣かない。」



雅哉「そっか・・・。」



元気でな。



雅哉「遥。」



遥「ん?」



雅哉「この3年間俺は結局お前のことを1日も忘れられなかった。」



遥「私もよ、バカ。」



雅哉「はは、参ったな。」



俺のことは心配すんな。



雅哉「話は終わりだ、行ってくれ。」



遥「うん・・、バイバイ、雅哉。」



振り返り走っていく遥。



30mほど離れたとき俺は遥を呼ぶ。



雅哉「遥~~~~!!!」



そして返してくる。



遥「何~~~!?」



雅哉「大好きだ~~~~!!!!」



遥はたぶん驚いているんだろう。少し止まっている。



けど再び返してきた。



遥「3年遅いんだバカ~~~!!!」



そう言い走り去っていった。



その姿を俺は目に焼き付けた。



その時後ろから声を掛けられた。



脇田「よかったのか?これで。」



雅哉「・・・・ええ。」



脇田「若いくせに不健康なことやってんなぁ。前からだけどよ。」



雅哉「その口癖治したほうがいいですよ。」



脇田「ぐはっ!それジュンにも言われたわ。」



脇田さんは気にしていたのか少し傷ついたようだった。



空を見上げる。



今日も晴天だった。



これから何かいいことがありそうなくらい雲ひとつない空だった。



雅哉「長い・・・・初恋だった。」



脇田「んあ?何か言ったか?」



雅哉「別に!入れに結婚しよっかなーって。」



脇田「若ぇうちは遊んどけ!」



雅哉「あ、また口癖でてますよ。」



脇田「のわー!」



その場に崩れ落ちた。



雅哉「何してるんですか!早く仕事に戻りますよ!」



脇田「お、おう。そうだな!」



健太、遥、幸せにな。



俺も俺で自分の幸せを探すから。



脇田「こら、雅哉!張り切っていくぞ!」



雅哉「はい!」



部屋に帰ったら記録をつけよう。



今日から俺の第二の人生の始まりだ。

終わりました~~1作目

ああ勉強勉強・・・・・

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