4話「決意」
4話いきまする!
HELL TO YOU!
~~SIDE 遥~~
雨は本降りになっていた。
だけど今更そんな事はどうでもよかった。
今は雅哉の・・・。
雅哉の顔が見たい・・・。
謝りたい。
それを考えたら雨にぬれることなんてどうでもよかった。
今は一国も早く見つけたかったのだ。
あれから30分、駅前は全て探した。
だが駅前は黒い車1つ、それによろめいた学生3人以外何も無かった。
なら・・・入れ違いで雅哉は家に向かったのかもしれない。
もう1度家のほうに・・。
その時空が光る。
雷であった。
ふとその時昔のことを思い出す。
あれは私達が小学校2年生の頃だ。
あの頃私は雷が大の苦手でいつも泣きじゃくっていた。
そんな時だった。
雅哉『泣くなよ~。俺が泣かした見たいじゃんか。』
遥『ひっく・・・だってぇ・・ぐす・・・怖いんだもん・・・ひっく。』
雅哉『頼むよ~。ただ音が鳴ってるだけだって。』
遥『そうはいってもぉ・・・こわぁいのぉ・・・ぐす。』
雅哉『何がそんなに怖いんだよ。』
遥『だってぇ・・ひっく・・雷神様が襲って来るんだよぉ?・・・ぐす。』
雅哉『お、お前、妙ないらない知識持ってるな・・。』
遥『うえ~~~ん!』
雅哉『だ、だから泣くなっての!』
遥『うわ~~~ん!』
雅哉『わかった!雷神様が来ても俺が守ってやるから!』
遥『え・・・?ぐす・・』
雅哉『これからずっと守ってやるから!お前には指一本触れさせないから!』
遥『・・・ほんとぉ?』
雅哉『本当だから!だから泣き止め!』
遥『・・・うん!』
雅哉・・・・今・・・雷だよ・・?
守りに・・・来てよ・・・。
そう思いながら雅哉の家に向かって走り出した。
~~SIDE 雅哉~~
雅哉「乗せていただいてありがとうございます。」
脇田「なぁに、いいってことよ。」
今俺は黒いワゴン車の中のサイドシートにいる。
この人は脇田 遼助さん。
俺が不良をやめたきっかけの人だ。
言ってみれば恩人。
・・・まぁまた逆戻りしてんだけどな・・。
当時俺が所属していたグループのリーダーさんで俺の6個上。
今、実家で家業を継いで旅館をやっている。
今日はたまたまこっちに用があって駅前に来てみたところ・・ってことだ。
脇田「それよかどした?お前不良やめたんじゃなかったのか?」
雅哉「実は・・・訳あって1週間前から・・・。」
脇田「まぁ若い頃は色々あるわなぁ。」
いやあなたも24歳・・・・。
脇田「んで?学校はどうすんだ?」
雅哉「もう・・・行けないです・・・。」
脇田「んじゃどうすんだよ。」
雅哉「それは・・・まだ決めてなくて・・・当てもないですし・・・。」
脇田「・・・本当に学校はいいのかよ。」
雅哉「・・・・・はい。」
脇田「そうか・・・。」
そして少し考え込む脇田さん。
そして口を開く。
脇田「なら、うちの旅館で雇ってやってもいいぞ。」
雅哉「・・・え?」
脇田「当ては無いんだろ?このままじゃお前はまたあの頃に逆戻りだ。」
脇田「地元からは離れなきゃいけなくなるが・・・・どうだ?」
雅哉「いいん・・・ですか?」
脇田「まぁうちは意外に人気あって人手も欲しかった所だしな。」
雅哉「なら・・・ぜひお願いします。」
脇田「・・・学校には行けなくなるんだぞ?」
雅哉「はい。」
脇田「・・・甘くはないぞ?」
雅哉「覚悟します。」
そこで脇田さんが一息ついた。
脇田「本気なんだな。」
雅哉「はい。」
脇田「わかった。ならいつ向こうに行く?」
雅哉「決心のぶれない内に・・・できれば今日で・・。」
脇田「そうか、なら1回家に帰って荷造りしてこい。俺はここで待ってやるから。」
雅哉「わかりました。」
そういい俺は家に向かった。
家に向かって走っている。
くいが残っていないとなればそんなはずは無い。
ただ俺はもうここにはいられない。
だからこれでいいんだ。
家に着く。
ふと気が付く。
暗くてよく見えないが・・・何かがドアの前に置いてある。
時間が無いのに・・・何だ?
しかし近づいてみるとそれは信じられないものだった。
そこには体育座りで俯いている遥であった。
バカな!今は11時だぞ!?それも10月下旬だ。
それにずぶ濡れで・・・。
遥は寝息を立てているが体は震わせていた。
遥・・・・。
2度と顔を見れないと思っていただけに目頭が熱くなる。
けど・・・俺には会わせる顔がない。
俺は起こさないように遥を抱き上げ遥の家へと向かう。
遥の家はここから歩いて1分も掛からない。
だからこその幼馴染だ。
家まで付いてインターホンを鳴らした瞬間勢いよくドアが開いた。
恐らく死ぬほど心配していたのであろう遥の母が飛び出してきた。
その母は俺を見て少し驚いていた。
それはそうだ。今の俺は金髪にピアスもしている。
けど俺だと認識してからは安心したように寄ってきた。
遥母「この子は雅君と一緒にいたの?ごめんね。」
雅哉「いえ、遅くなりまして・・。」
遥母「いいのよ、雅君と健君は信用してるし。」
ふふ、と笑う遥の母。
雅哉「どうも・・・、では僕はこれで。」
遥母「ごめんね。またいつでも遊びに来てね。」
雅哉「はは、あ・・、おばさん。遥に伝言お願いできますか?」
遥母「何かしら、別にいいわよ。」
雅哉「いえ、ただ"じゃぁな"と伝えてください。」
遥母「? それだけでいいの?」
雅哉「はい。お願いします。」
振り向きかえろうとしたとき。
遥「・・・ま・・・さやぁ・・・・。」
何かが体の中で弾けた。
遥母「あら、この子寝言で雅君呼んでるわ。もしかしてLOVEなのかしら。」
俺は遥の母のその言葉に返事をせず走り出した。
振り返ることなんてできなかった。
頬を伝う大粒の水が雨では無いとわかっていたから。
雅哉「脇田さん。」
ドアをノックする。
脇田「ん・・・ああ、遅かったな。少し寝てたわ。」
雅哉「すいません。」
脇田「・・・・もういいのか?」
雅哉「ええ、お願いします。」
脇田「そうか・・・なら行くか。」
雅哉「はい。」
今車は高速道路を走っている。
脇田「しっかしやっぱりお前ケンカ強いなぁ。」
雅哉「はは、それだけが俺の取り柄ですから・・。」
脇田「けど何でまたくさってたんだ?」
雅哉「それは・・・。」
脇田「・・・何だ女か。」
雅哉「な!?」
脇田「ごまかさなくてもいい。お前顔にすぐ出るからわかるわ。」
雅哉「・・・すみません。」
脇田「ふふ、俺も若い頃はなぁ・・・。」
だからまだ24歳・・・。
脇田「あ、そう言えばお前の家出のことジュンに伝えといたわ。」
雅哉「な、なぜ!?」
ちなみにジュンとは鈴木さんのことだ。
脇田「誰か知っておいたほうがいいだろ。それに俺も誰にも言うなって言っといたから大丈夫だ。」
雅哉「でも・・・鈴木さんですよ?」
脇田「・・・雅哉、お前でもジュンの悪口言ったら許さないぞ。」
雅哉「・・・すみません。」
雅哉「そう言えば昔からの知り合いのようですけど鈴木さんとはどのような関係で・・?」
脇田「ああ、あいつは俺の相棒だ。もちろんケンカのな。」
雅哉「・・・え?」
脇田「あいつ元不良だぞ。まぁ俺と違って表向き優等生の仮面被ってたけどな。」
脇田「だからこそ教師になってんだろうけど。」
雅哉「そうだったんですか。」
脇田「人には色々あるんだ。」
雅哉「覚えておきます。」
あの人が・・・・ねぇ・・・。
脇田「着いたぞ。」
雅哉「ありがとうございます。」
脇田「今は眠いだろ。とりあえず今日は1日寝とけ。」
雅哉「すみません。」
脇田「まぁ明日からは覚悟しとけよ。ここじゃ上司と部下だ。」
雅哉「はい。」
脇田「うし、行こうぜ。」
最近ジョジョが自分の中で熱い!
あとコータローがまかり通るも面白い!
あとラノベで禁書目録読んでマッスル!
こんな野球部ってどうよ・・。