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虎牢陥  作者: 超子竜
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第一話

暇な方にオススメです。

それ以外の方にとっては時間の無駄かと。

……前を歩く君の姿はまるで夢に出てくる天使のようだ。


細身の体。身長は160センチくらいだろうか。

小顔にパッチリ二重の目と小さな口が愛らしい。


少し茶色の入ったショートヘアー。


そしてこの香り。


……天使というか。

俺の好きなアニメのヒロインにそっくりだ。


〜霧島涼美〜


俺の通うA高校に先月、転校してきた。

学年は一つ下の一年生。

噂で彼女のことをよく耳にする。

容姿端麗、無口、成績優秀、運動能力抜群、転校1ヶ月にしてA高校の注目の的。


俺には程遠い高嶺の花だ。

そんな霧島を俺はこうして毎朝、通学時に目にする。

家が近い訳では無さそうだが。


まあいい。

毎朝、目の保養になって助かる。


俺は龍臥颯斗。


りゅうが はやと。

漢字が難しいってよく言われる。


実家はものすごい田舎だ。

無論、そんなとこに高校なんて無いわけで……。


実家から直線距離にして200キロほど離れたこの町にマンションを借りて高校に通っている訳だ。

わざわざ金をかけてこのA高校に通っているわけだが……。


何も変わったことがないつまらない日々を送っている。

普段は家でオンラインゲーム。

試験前は勉強。

このサイクルの繰り返しだ。

彼女でも出来れば楽しくなるんだけどな〜。

なんて思ったりもするが女子とはまったくの無関係だ。


もしもあると言うならば。

こうして学校のヒロインを毎朝、目にするくらいだ。

なんて悲しい男なんだろう。



……もうすぐ校門だ。目の保養タイムは終わり。

つまらない一日が始まる。


教室に入るとまずは……。

「よ〜っ颯斗!!マウスの調子はどうだ!?」

そう。これだ。

オンラインゲーム仲間の神坂耕大が昨夜のオンラインゲームの様子を聞いてくる。

いつもの展開。

「おはよう。龍臥くん。」クラスでそこそこの人気を誇る委員長、中澤美奈子の涼しい挨拶。

これもいつもの展開。


毎日、同じ。

毎日、同じ展開。

同じことの繰り返しだ。

まあ平和に生きていられるからそれでいいか。

とか考えながらいつも通りに授業を受け、いつものように帰宅する。


……そして家の前。

いつもと違ったことと言えば下校中に野良猫を発見したことくらいだ。


本当に下らない人生だ。


……鍵をあけ、ドアノブに手をかける。


……???


女の匂い!?

どこかで嗅いだことがあるような。


って!!

俺はそこまで飢えているのか!!

自分でもびっくりだ。

玄関に見覚えのない靴がある。


……いやいやいや!!


なにこの展開!?

こんな展開は俺の生活にプログラミングされていないぞ!?


……。

「えっ!?誰!?」

リビングの方から聞こえてきた。

ってかそれはこっちの台詞だ!!

……恐る恐る廊下を進みリビングのドアを開ける。


………。

「きっ、霧島っ!?」

「すずみで〜すっ!テヘッ」







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