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プロローグ

昔々、この世界には神様がいらっしゃいました。

神様は優しい方でいつでも人々を見守だてくださっていました。人々も神様のことを敬い、大切に思っていました。世界はとても平和で温かいものでした。

しかしある時、世界は壊れてしまいました。世界は二つに分かれてしまったのです。一つは神様の肉体を基盤としていて「現実」と呼ばれ、もう片方は神様の脳の中の情報や記憶を元にして作られ、「夢」と呼ばれるようになりました。突然神様が消えてしまった上に世界の一部は分断されてしまったと言うのに、人々は混乱していませんでした。なぜならほとんどの人の記憶から神様の存在は消えてしまっていたからです。それから人間たちは新しい世界を築き始めました。それまでは魔法と呼ばれる力があり、火種を使わずとも火をつけたり、温かい場所にある水でも凍らせたりすることができましたが、現実では火は発火点が高温であったり酸素があったりするような状況でなければ燃えることはできないし、水だって一定の温度を下回らねば決して凍ることがないのです。現実と夢は完全に分たれたかに思えました。しかし、世界が分かれてからしばらくもたたないうちに奇妙な現象が起きたり名状し難い見た目をした怪物が現実に現れるようになりました。実際のところ、現実と夢は完全に分断されたわけではなく、少し隙間が空いていて、そこからお互いの世界が漏れ出しあっていたのです。唐突に始まったこの奇怪な出来事に人々は当然パニックに陥ってしまいました。この混乱はさまざまな災いを引き起こしました。


しばらくして、それを収めんとする集団が現れました。彼らは神聖教会という名を名乗り、神の意思を継ぐものであると主張しました。実際彼らは夢に対抗する力を持っていました。彼らは炎や光を崇め、夢に引きずられてはいけないと人々に説きました。夢は人にとって理想的なものであるが、それと引き換えに夢に思考を奪われたものは決して起きることなく、永遠に夢に囚われてしまうのだと教会は人に教え、徹底的に夢を人から遠ざけたのです。


しかしどんな世の中にも変わり者はいます。夢に関して興味を持った人が現れてしまったのです。その人は教会の発言を無視し、夢が引き起こす現象や、なぜ夢は人を永遠の眠りへと誘うのかに興味を持ち、研究するようになりました。さらに、そのようなことを考え人は1人ではありませんでした。夢に興味を持った人たちは協力し、研究所を作り上げました。当然教会は夢との接触を禁じていますから研究所を弾圧しようとするわけですが、研究所に集まった叡智はやすやすと教会からの追手から逃れてしまうのでした。




                                  

                                     『わかりやすい!世界全集』参照

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