第3話 Sの巣窟2年4組
俺は後ろを振り返った。
「なに?中村?」
俺の後ろの席にいるのは中村 明美という少女だ。彼女は黒髪黒目の清楚系のような見た目をした女の子だ。
まぁ後ろの席にこんな美少女がいるだけでラブコメみたいというかラブコメだな、うん。
「で?用件は?」
俺がそういうと、中村は顔をしかめて口を開いた。
「何?私という美少女に話しかけられて嬉しいでしょ?」
こいつは少し自意識過剰なところがあって少しウザめで面倒くさいやつだ。それにちょくちょく俺にちょっかいを掛けてくるし、顔は可愛いんだが俺はあまりこいつのことが好きではない。
「あーはいはいうれしいうれしい、うれしいです」
「その棒読みをやめて吐き気がする」
こいつから話をふっかけてきたのにほんとうざいなこいつ。
俺はそのまま前を向き、寝る体制へとはいった。そのとき、俺の脇腹に一本のシャーペンがクリーンヒット!萩原 網代に2000ダメージ!
「痛った!」
俺が睨みながら顔を上げ、シャーペンを俺に刺したやつの方を向いた。眼鏡をかけ、呆れ顔の少女がいた。
「授業が始まってもいないのに何寝ようとしてるんですか?」
俺はシャーペンでぶっ刺された脇腹をさすりながら彼女の方を向いた。
「会長、暴力はよくないですよ…」
俺が会長と呼ぶこの人はその通り現生徒会長だ。この人は昨年度に1年生なのにも関わらず生徒会長に当選したカリスマの中のカリスマとも言える存在だ。
「これは暴力などではありません。萩原くんが授業に集中できるようにするためにツボを押しただけですよ」
ほんとこのクラスはSっ気の多いやつばっかりだな…
「せめて手で起こしてくださいよ。シャーペンは痛いですって」
会長は「次、また寝たらシャーペンじゃ済まないですよ」といい前を振り向くのと同時に教室の扉が開き、先生が入ってきた。
「授業始めるぞ〜席につけ」
先生の一言と共にみんなは席につき授業を開始した。




