第25話 網代のルーティーン
どうも、高校2年生の萩原 網代です。今日は俺のルーティーンを紹介しようと思う。
朝はやっぱり目覚めのコーヒーからだ。
マグカップにインスタントコーヒーの粉を入れ、お湯を注ぐ。
「そーっと…そーっと…あっつ!!!」
おやおや、どうやら手にかかってしまったみたいだ。でも、イケメンでクールな俺はこんなことじゃ動じない。このルーティンをやるために早起きしたから、少し鈍くなっていたのだろう。
手が当たってしまって散らばった調理器具を片付ける。
床に落ちてしまった調理器具を拾い上げ、体を上げようとした次の瞬間、俺はマグカップとぶつかってしまった。
反動で動いてしまったマグカップは体を上げようとする俺の背中に向かって中の液体をばら撒いてきた。
「あっっっつ!あっつ!茜!氷!保冷剤でもいいから持ってきてくれ!」
キッチンを挟んだ向かい側のソファーに座っていた茜を大声で呼ぶ。
「お兄ちゃんまたやったの?ハイほれーざい、しっかり受け取ってね」
茜は、冷凍庫から保冷剤を取り出し、床でのたうち回っている俺めがけて投げてきた。
「…ありがと…って痛った!お前、やけどした所に保冷剤投げてくんなよ!」
俺は一旦落ち着き、保冷剤を背中に当てる。
慌ててテンパってしまったが、次は歯を磨きに洗面台へと行く。
「今日の俺も冴えてんな」
鏡の前で決めポーズをしながらそういう。
「網代、またバカなことやってるわね…」
「まだ中二病が抜けてないんだよお母さん」
俺の後ろで母さんと茜がこそこそ話している。
「おい、聞こえてるぞ!厨二病なんてとっくに卒業してるわ!これは高2男子ならけっこうあるあるなんだよ」
俺は茜と母さんにそう言い、ダイニングへと向かった。
次は朝食だ。俺は朝は毎日、白米と味噌汁を食べるというのを続けている。それより味噌汁は食べるよりも飲むのほうが正しいのか?
国語の評価1の俺に動詞の話をされても答えられるわけがない。そんなことどうでもいいやと思い、俺は箸を取った。
「いただきます」
俺はそう言って朝食に手を付けた。




