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第21話 あいつとの写真

 色々あった校外学習は終り、いつも通りの日常が戻ってきた。

 今日は茜と母さんが朝っぱらから喧嘩していたせいでいつもより早起きだ。

「おはよう!網代!」

 校外学習が終わり、週末を挟んで俺は学校の登校中だった。いつも通り、学校の最寄り駅を降りると、俺の名前を呼ぶ声がした。

 とても聞き覚えのある大音量の声は皆さんお察しの通り、デシベル数を測ったら機械が壊れるんじゃないかと言われている、歩くスピーカー朱里さんの声であった。

 ていうか、登校中に会い過ぎだろ。確実に狙ってるよなこいつ…

「朝からうるさいな。もう少しボリュームを下げてくれよ」

 本日2時間睡眠の俺には辛い声量だ。まさか アニメ一気見してたら朝4時だなんてな。めっちゃびっくりしたわ。もう目がバッキバキよバッキバキ。

「え〜!いいじゃん!この元気さが私のアイデンティティなんだよ?」

「いくらなんでも元気すぎるというか一緒にいると日常生活に支障をきたすレベルなんだよ」

 流石にこの喋り方を続けられたら俺だけでなく周りの人間ににも危害が及んでしまう。

「私の声ってそんなに大きいの!?」

 わお。まさか自覚がなかったのか。

「あぁ、お前の声はとてつもなくデカい。どれくらいかって言うとあれだ、ガード下に匹敵する声量だ」

 俺がそう言うと、朱里は「気をつけるね」っといつも通りの大声で言った。…なんもわかってないし気をつける気もないんだろうなこいつ…

「そう言えば網代、校外学習の写真って私、網代におくったっけ?」

「写真?送られてないと思うぞ」

 まぁ写真なんていらないけどな。あったところで別に見るわけでもないし。というか、話の逸らし方雑すぎるだろ。

「じゃあ送っとくね!」

 朱里はそう言ってポケットからスマホを取り出し、俺に写真を送ってくれた。

「おう、ありがと…ん!!!!」

 朱里に送ってもらった写真の中にはある一つの光があった。それは、何を隠そう水上の写真であったのだ。

 ウヒョー水上だ水上。こんなの保存するしかないだろ。

 俺は水上が写っている写真をルンルンしながらパパパっと保存してスマホを閉じようとした。

 俺は不意にも最後の1枚に目が言ってしまった。

 その写真はカフェでの俺と朱里のツーショット写真。朱里が嫌がる俺を無視して無理矢理撮ったやつだ。

「網代!早く!遅れちゃうよ!」

「今行くから焦るなよ。それに時間はまだあるだろ」

 俺は朱里にそう返事をして朱里とのツーショット写真を保存し、朱里の方へと足を進めた。

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