第18話 過去の終わりと洒落たカフェ
まぁ過去回想をこんなに長引かせてもあれだからもう終わらせちゃうか。
あのあとは証拠と俺の録音を副会長が全校集会で流し、全校生徒に知れわたった。あ、もちろん犯人の小清水さんと真壁さんにはそれ相応の罰が下った。
会長と選挙管理委員の子も残りの停学期間は免除され、いつも通りの日常が戻ってきた。
ここで皆さん疑問に思うだろう、「副会長がみんなの前で公表したのになんで萩原くんが助けたのを会長が知ってるの?」と。
まぁ単純だ、正義感マシマシの副会長が「これは僕の功績ではなく萩原くんの功績だ!」などとほざいて会長と教員にそのことが伝わったのだ。全校生徒に広められるのを阻止できただけいいか。多分、俺がそんなことをしたなんて言っても逆に悪い噂が増えるだけだ。まぁ一時的にブラックリストからも外されたし、ほぼ毎日遅刻で提出物も出さないけどしっかりと進級させてもらえたから結果オーライか。
こうして、俺と会長と副会長のドタバタな九月は幕を下ろしのだ。
ときは戻って現在、集合時間までに合流して残りを周わるのはキツいよね、となって俺と朱里、会長と水上に分かれて鎌倉を散策している。
「すごい!おっきいー!私、はじめて大仏みたかも!」
朱里が目の前にある大仏を見ながらまたもや大声でそういう。はぁ…顔は良いんだからもう少し静かだったら可愛いんだけどな。
「うるさいぞー周りのひとがビックリしてこっちを見てるぞ」
俺はゆっくりと歩きながら朱里に近づいてそういう。朱里はハッとした表情をしたあと、ボリュームを20分の1ぐらいにして俺に謝ってきた。
「わかればよろしい。僕はキメ顔でそう言った」
「網代、ちょっと古いよそれ」
最後にいったとおり俺はキメ顔でそう言った。それより物語シリーズは令和の時代にはもう古いのか!?そんなことないよな、ちょっと前に新シリーズやってたし、うんうん。
「網代!あそこにお洒落なカフェがあるよ!いこ!」
朱里が指差す先にはちょっと和風でお洒落なカフェがった。朱里は返事なんて待たずに俺のことを無理矢理引っ張って、カフェの店内へと引きずり込んだ。




