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第15話 選挙の真実

「ほんとみんなまんまと騙されたね。それにしても、成績と日常の生活態度から一週間の停学だけなんて、許せないよね~」

 1人の女の子が調子に乗ったようにそう言う。声からして最後まで会長の座を争っていた先輩の小清水こしみず 夏美なつみさんだろう。

「ありがとうー愛香あいか

 小清水さんがそういう相手は選挙管理委員長の真壁まかべ 愛香あいかさんのことだろう。

なんとくこれはヤバイ会話だと思い、俺は気づかれないようにスマホのロックを解除し、録音アプリを起動させて録音を開始した。

「まぁまぁ結局成功したんだし、処分についてはどでもいいじゃん~それにしても結構うまく偽造書類を紛れ込ませたよ〜しっかりと先生に行き渡る前だから絶対にバレてないよ!まぁ  後輩の子に罪なすりつけちゃったのは申し訳ないと思うけど」

 真壁さんがそう言う。やっぱりヤバイ会話だったか。俺はそのまま録音を続けた。

「ほんと夏美も愛香も悪だね〜」

 もう1人がそういう。彼女の声は聞いたことないな。俺が知らない先輩なのだろうか。

梨央りおもありがとう!あの人の筆跡なかなか真似できなくてね〜」

 梨央?そんな人うちの学校に居たのかな?でも今の会話から考えるに、この3人は今回の事件の首謀者というのは確かだろう。恐らく「あの人」というのは今回の被害者である会長のことだろう。俺は喉をゴクリと鳴らし、物語の成り行きを見守ることにした。

「全然大丈夫だよ!でも夏美から急に『私を生徒会長にする為に協力して!』なんて電話がかかってきたときは驚いたよ〜まさか他校の私に連絡するなんて」

 他校の人か。確かに他校の方がバレにくいな。この人、かなり計算し尽くしている。

「まぁ証拠も全部消したし、基本は学校外でやってるから防犯カメラにも映ってないだろうね」

 まぁ俺がここに来る、ということまでは計算していなかったらしいな。それにしてもこの人達、よく喋るな〜退学案件の話なのにこんな人目につくところでペラペラと。


 その後、他にも色んな情報を話してくれた先輩達は、他校の梨央さん(?)と別れ、自分の教室へと向かった。俺は、そっと録音中止ボタンを押した。

 情報をまとめると、首謀者は2年の小清水さん、共犯者が同じく2年の真壁さん、他校の梨央さんだろう。小清水さんが計画を立て、梨央さんが偽造した書類を真壁さんが紛れ込ませたということになる。これだけでもかなりの収穫だが証拠となるとまだ薄い。やっぱり実物の偽造書類が欲しいところだ。俺はそう思い、職員室へと向かった。

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