未来から来た私と、悪役を演じた私の恋
赤い月の夜、過労死したOLは、乙女ゲーム『薔薇と王冠の国』の悪役令嬢・セルフォーヌの体に転生した。記憶にある結末は悲劇的だ。セルフォーヌは主人公を陥れ婚約を手に入れるも、裏切りが露呈し処刑され、その後国は「黒の災厄」によって滅亡する。しかし、彼女は運命に疑問を抱く。ゲームのエンディングで、黒い影に立ち向かう剣の女性の背中が、セルフォーヌそっくりだったのだ。その謎を追ううち、彼女は夜の庭で驚愕の出会いをする。未来から来た、五十年後のセルフォーヌと。彼女は無数の失敗を重ね、災厄の真の脅威を知った末に、過去の自分に託す決意をした。「私があなたの敵になり、憎まれ役を演じる。そうしてあなたが生き残り、未来を変えてくれ」。運命を断ち切り、国を救うため——二人のセルフォーヌは、赤い月の下、新たな物語を始める。
第一章 赤い月の下で君は微笑んだ
2025/08/05 14:37
第二章 悪役の演目
2025/08/05 14:38
第三章 運命の分岐点
2025/08/05 14:38
終章 悪役令嬢の恋歌
2025/08/05 14:39