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Real Game  作者: 片倉葵
26/32

20章・とりあえず到着・・・ってね










フォルティウス国はエルタイン王国から遥か南西に存在する島にある。

四方を山に囲まれたその島へは特殊な方法を持ち入らなければ進入は不可能であり、またその島特有の珍しい草花や動物を外部の人間から守るため、めったな事がない限り入国許可は得られない。


その島に住む住人は竜族と呼ばれる種族を初めとし、亜人、獣人などが殆どで人間は存在しない。

故に人間と言う種族を知らない部族も多数存在するらしい。

その為か『例外』がやってくれば珍しがられるのは当たり前であった。


「でもこれはないよね(汗)」


遠巻きにあたしとセリオス(その他数名)を見つめるのは大小様々な種族さん。

例えば耳がウサギだったり~お尻のあたりにおっきな尻尾生やしていたり~


『あら、珍しい生き物がやってきたわね。人間よ、人間』

『ニンゲン?ニンゲンってなぁに?』

『ほ~ずいぶんとまぁ』

『美味しい?』


「食うなよ!!!」


無邪気に聞こえた猫耳少年の『美味しい?』一言に思わず叫べば遠巻きに見ていた野次馬が一斉に飛び散った。


足・・・いや、羽速い?


「すいません。すいません。なにせこの国に人間が訪れたのは数年ぶりだったので・・・」


ぺこぺこ頭を下げるのはこの国の宰相さん。

見た目は軍人って感じなんだけどね。色黒で細いけど筋肉質。

デスクワーク向けの人じゃないんだけどこれも竜人の特徴。

竜人って基本的に肉食が多いから筋肉質なんだそうだ。

女性も強い軍人タイプが多いらしい。


「気にしていない」


セリオスの言葉に宰相さんはホッと安堵の息を吐き説明を始めた。

ここから城までの距離が長いため馬車で行くこと。

あたし達が滞在する場所のこと。

同盟を結ぶに当たっての注意時点。

専門用語も出てきたからもう分かんない。

・・・全部セリオスに丸投げ。

外の景色を楽しんで気がつけば城についていた。


全身黒い色合いの給仕服に包まれた侍女に貴賓室に案内された後、セリオスと数人の護衛だけが謁見となりあたしは1人で待たされている。

理由?なんであたしだけここにいるって?

理由はこれ。


「ぐわぐわ」


あたしの足に引っ付いている子供の竜人。

懐かれた。なぜか懐かれた。

そしてあたしの後ろで引っ付いているのは・・・


「アイ、美味しい?」


ご存知、ぴーちゃん。

ただいまあたくし、絶世の美男子共に囲まれてウハウハです。

・・・片方は竜だけど。


「・・・カンナ、邪魔」


「くわ!!」


シリウスの言葉に威嚇する竜は見ていて可愛らしい。

ちなみに『くわ』とかし言っていない竜はカンナという名の貴族。

立派な竜の一族で人間バージョンだと12.3ぐらいの少年。

色は緑。だから緑竜。


暇だったから貴賓室を歩き回ってたら見つけちゃったんですよね~隠れてたの。

どうも【ニンゲン】という種族を生で見たかったらしい。(この時はまだ人間の姿だった)

あたしは珍獣かっつーの!!

で、その時お腹がグーってなったからお茶請けのクッキーあげたら懐かれたのよ。

ポンッと竜に変身してクッキー食べる姿はもう・・・萌え///


で、離れなくなった。

さすがに公式の場でこれはまずいとなって留守番に決定した。

結局は後で会うらしいけど。

それで今王様と会わないなら抱き締めていいよねとばかりにぴーちゃんくっ付く。

カンナとあたしを取り合って喧嘩始まりあたしモテモテ。


「・・・マジ勘弁」


嬉しさよりも恥ずかしさが勝っている。


「アイ、長旅で疲れた?」


「ん~まぁ、ね。だからちょっと離れて」


「嫌。アイと一緒がいい」


ついには頬ずりが始まった。


なんだかんだで彼との関係もなれてきた。

初めの頃は真っ赤になって恥ずかしがっていたけれどこれが彼流のコミュニケーションの取り方と思えばどうってことない。

頬や額へのチューも挨拶挨拶。外人さんとの挨拶だ。


・・・やっぱ無理。恥ずかしいものは恥ずかしい。


ペチンと軽く手を叩いてぴーちゃんを離す。

こうすれば彼は一応離れてくれる。短い時間だけだけど。


「でも暇ね」


もう一時間ぐらいはこの部屋に拘束されている。

暇だ。実に、暇。

本ぐらい置いてないかな~


「アイ、暇?」


「ぐぅ?」


「ん~さすがにね」


ただ座っているだけって、暇だ。


「じゃぁ、外に行こうか」


「え?」


返事をする間もなく窓から外へとダイブ。

下から突き上げる風が一気に体中を駆け巡り、『まるでジェットコースターに乗っている気分だわ』と、どこかに意識を飛ばしてしまう。


そしてその意識が戻った瞬間、あたしは自分の置かれた状態を思い出す。

いつのまにか竜化したぴーちゃんの口はあたしの服をつかんでいた。

下にはもちろん地面もなく、


ひぎゃ、


「ひぎゃやぁぁああぁぁああぁぁあああ!!!」


そ、空飛んでるぅぅう!!!いやぁぁあぁあぁ怖い――!!!!落ちるぅぅぅ!!!!


「ぴ、ぴーちゃん!!」


「クワ!!」


「ぐわ、ぐわ」


クワじゃぁねぇよ!!

しかも話通じねぇ!!


とにかく落ちないようにとぴーちゃんの足に掴み安定したところで目をゆっくりと開いた。




―――どこまでも青が広がっていた。




とてもじゃないがこの感動は口では表せない。

それほどの雄大な自然。


山の向こうでは天にも届くほどの山脈から水が流れ、その麓には色取り取りの草花が咲き乱れ、

それを囲うように動物達が語り合っている。


湖では尾のある美女・・・人魚が楽しそうに泳ぎ、空では羽のある鳥人達が優雅に飛び回り、

神話や御とぎ話、夢に見たファンタジーの世界がそこにあった。


言葉にならない。


「・・・素敵」


思わず呟いたらぴーちゃんが微笑んだような気がした。


それからぴーちゃんはゆっくりと下降して緑溢れる高台へと降り立った。

空は青からオレンジへと色を変え始めていた。


「アイ、あの白い建物が見える?」


竜から人間へと姿を変えたぴーちゃんは西の方向に指を刺す。

その先には白一色のお城のような建物がある。


「うん見えるけど」


「あれはクリスタルリリー」


クリスタルリリー。

水晶の、百合?


確か前にセリオスから貰った本に書いてあったような気がする。

確か・・・


「女神の、庭園?」


「そう。昔、我らの先祖がある女性に送った建物。中には彼女が身に着けていた衣類や宝物が納められている・・・彼女の名前は、マイ」


「・・・・・・え?」


まいって・・・


「マイ・クサナギ」


ドクンと、心臓の鼓動が鳴った。


キクナ。

キクナキクナキクナキクナ!!


「マイは先代の女神だった」


「先代の女神って、400年前の女神?」


「そう。アイ、あの中に入るよ」


「・・・・・・・・・え゛」


マジっすか!?!?


「なんで!?」


「あの中には女神の知識、記憶がある」


「・・・・・・・」


「アイは知るべき。女神が記す真実を」


真実?


・・・・・・・って、なんじゃそりゃぁああぁぁああぁああ!?




















フォルティウス国の入国の仕方。


1・海の底の深海から

2・遥か空の上空から


一般的には竜車と呼ばれるものに乗って空から入国します。

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